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読書日記『ナミヤ雑貨店の奇蹟』
感動しいな私は、何度もぐっと込み上げるものを押さえつけながらこの本を読んだ。
電車の中で泣き出すわけにはいかなかったから。
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』。私は、物語中に巻き起こった沢山の出来事の中で、タイトルの奇蹟が示すものは何だろうと考える。
物語の全部だと、捉えることももちろんできる。
だけど、やっぱり1つに絞りたくなってしまう。
辞書の意味通り考えると、あのことかな?
普段使うようなニュアンスだと、あのことかな?
人と人、ナミヤ雑貨店との出会いのこと?
それとも、登場人物の今後に起きること?
普段使う奇跡が使われていないので、よく目立つ。
迷える人々の悩みごとにアドバイスをしていく、ナミヤ雑貨店。
人にアドバイスをすることは、すごく難しくて、大変なことだと思う。期待されているとなおに。
私も、愚痴を聞くのは得意だけど、それに何かアドバイスをしてって言われると途端に困る。それは、解決するためのものか、背中を押すものか、相手が何を欲しがっているのかを感じ取るのも難しい。
ナミヤ雑貨店の悩み事相談は、お手紙で、匿名で送られる。それに真摯に、あるいはバッサリと答えていく姿はすごいなと単純に思う。
それを受けて飲み込む側も反応は様々。
もし、自分が相談者で、こちらが勝手に相談していたとしても、素直にアドバイスを飲み込める自身は正直ないなと感じてしまった。
「東野作品史上、もっともなける感動作」というフレコミのこの作品。
私は感動した。
以下に出版社が公表しているあらすじを添付するが、読まずに読んでも面白いと思う。
あらすじ
あらゆる悩み相談に乗る不思議な雑貨店。そこに集う、人生最大の岐路に立った人たち。過去と現在を超えて温かな手紙交換がはじまる……張り巡らされた伏線が奇跡のように繋がり合う、心ふるわす物語。
KADOKAWAオフィシャルサイトより(https://www.kadokawa.co.jp/product/321308000162/)
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』
著者/東野圭吾
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