
[読書日記] 『富豪刑事』
「確か、アニメ化されてたやつだよな。」と題名を見て思い出し、図書館で借りた。
時代を感じる本に疑問を持ちつつ、1978年に書かれていると知って驚いた。母に話したら知っている本だった。どうやら、有名な作品らしい。申し訳ない。
書かれたのが1900年代後半ということもあり、昔ながらの会話や人間関係の世界だった。私には馴染みがなかったが、一冊に4話の物語が収録されている作品であったため、読みやすく感じた。
主人公は大富豪を父にもつ神戸大助という男だ。私は彼が気弱なのか、大胆なのか分からなかった。が、非常に人間だった。性格が一言で現せる人などいはしないのだ。
驚いたのは、著者と読者の存在が明記されており、登場人物らが、読者へ読者として話しかけてくることだ。私はこの様な作品に出会ったことはなかったし、常に物語に入り込んでしまう。だからか、いつもより一歩引いた目線で物語を楽しめた気がする。
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