〈これまで〉は《これから》のために 石野理子(赤い公園)が歌う希望のうた(6)

舞台は、すべて整った。


2018年5月4日 午後6時

さいたまスーパーアリーナ


VIVA LA ROCK 18'

CAVEステージ



いよいよ

赤い公園新ボーカリストのお披露目だ。




会場の空気が止まる。

そこへ…、


〈風が…知ってるだ!!〉

暗闇を少女の声が切り裂く。


リズム隊が静かに鳴り始める。

♪風が知ってる


〈♪愛の言葉じゃ救い出せない…〉


聴き慣れない少女の歌声

一体、だれ??

場内を“問い”が覆う。




ステージの中央後方から、

少女にスポットライト。


少女は、白のTシャツに真紅のロングスカート。





…で、この娘(こ)は一体だれ??


肝心な、少女の顔がまだ見えない。

歌声が時を縫って進む。






…それで、一体この娘(こ)はだれなの??

“問い”は膨らむばかりだ。




そうこうするうちに、

♪風が知ってる が完奏。

しばし沈黙。

場内灯がともる。






“少女”が姿を現す。



“少女”が沈黙を破る。







〈ワタシを『何者??』とお思いの方も

多いかもしれません。


はじめまして。

石野理子、と申します。




ことしの2月まで“アイドルネッサンス”と言うグループに所属しておりましたが、

ご縁があって赤い公園に加入することに

なりました。〉





場内を包んでいた重い空気が解(ほど)ける。

和む。



場内から、温かな拍手。

笑顔。




セトリは一気呵成に進む。



CAVEステージは、

新しいボーカリストが放つ

爽(さわ)やかなノイズに

躍り上がる。


津野のギターは、

さらに唸(うな)りを上げる。




セトリは、ひたすら進む。





場内は、

新しいボーカリストが、いつものリズム隊が

奏でる新鮮なノイズに、


ひたすら前のめりだ。





そして、あっという間に

エンディング曲へ。





〈赤い公園でしたァ!!!〉



♪NOW ONAIR



場内は、

新しい“司祭”に煽られるまま

ひたすらタテに踊る。






ついに、全曲を完奏。





「カワイイ❤」

場内から女性の歓声が上がる。




場内は、

余韻まで温かい。








新しい何かがはじまる。

それがどこまでたどり着くのか?

何も見えてはいないけれども。


それは、

きっと見たことが無い高みなのだろう。





だれもが“予感”に満たされる夜になった。





2018年5月4日

さいたまスーパーアリーナ

VIVA LA ROCK 18'

CAVEステージ





石野理子が唄う赤い公園の

“公園デビュー”は明るい時間となった。


(つづく)



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