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【映画】ブレイブストーリー【ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書】

今ではwebが主流となっている。

もちろん新聞や雑誌など紙の文化が失われたわけではない。ただ、着実に衰退している。例えば電車や喫茶店で皆が手にしているのは紙ではなく携帯に変わった。これは大きな変化と言っていいだろう。

それでも新聞の偉大さを忘れるのはもったいない。日々、発行しながら、日本だけでなく世界に溢れているニュースを届け、それを一つの紙で読むことができる。情報の取捨選択はwebの方がはるかに効率はいいが、広く情報を捉える意味では新聞の良さは間違いなくあると言えるだろう。

少し話の角度を変えよう。先日、映画だいありー部員であるぐっさんが映画「新聞記者」に関してのレビューを書いていた。この映画は自分も見たことがあり、「正義を貫くことができるか」に考えを巡らせたものだ。世に出るニュースは、ある意味どれも取材の上に成り立っているが、目に見えない上の存在に情報解禁を阻まれたり、情報を操作されている可能性もあったりするのかもしれない。

しかしながら、そういう状況でも“上の存在”に立ち向かう人たちがいたからこそ、報道の自由というものが成り立っているのだと思っている。

今回紹介する「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」も、上の存在と立ち向かった物語だ。そして実話を基にしたストーリーでもある。1970年代のアメリカ、今や有名なワシントン・ポスト紙がニューヨーク・タイムズ紙とともにアメリカの嘘を世に暴いた一つの出来事。これは勇敢な人々が政府と戦った物語である。

大事なのは勇敢な心

まずは簡単あらすじ

1970年代のアメリカ。泥沼化したベトナム戦争下で軍事アナリストの男が、ベトナム戦争を分析および報告した最高機密文書を複写して手にしたことから話はスタートする。その男はこの状況をアメリカの人々に伝えるため、新聞を使って世に暴露することを考えた。しかし第一報を報じたニューヨーク・タイムズ紙は政府から差し止めの要請をされてしまう。一方、ワシントン・ポスト紙はライバル紙を上回る情報をつかもうと、自分たちで機密文書を入手。さらなる情報発信をできる状況とした上で、政府と戦うかの選択を迫られるのだった。

この作品を通して感じたのは、勇敢な心が歴史を動かすということ。ワシントン・ポスト紙の社長であるキャサリン(メリル・ストリープ)も、編集主幹のベン(トム・ハンクス)も、政府に公私ともに仲の良い友人が多くいるにもかかわらず、政府の暗部を暴くという選択に迫られた時、自分たちの危険を承知で報道することを選ぶわけです。

その選択をすることの難しさは決して簡単なものではありません。例えば、あなたのとても仲の良い友人が会社の社長だとしましょう。その人が何か悪いことをしていた。その悪いことが世に出てしまう状況を、自分が止められる状況にいるわけです。そこであなたは友人のためにストップさせるのか、それともオープンにするのか。これは非常に難しい選択です。

この映画に関しては、その友人が政府、そして国を動かす人間なわけで、もしその情報を外に出したら投獄されるかもしれない状況でした。それでも国民に真実を知ってもらうために、彼らは報道することを選ぶのです。

結果的にこれが公になったことでアメリカの対応は大きく変わります。報道したことがプラスに働きました。だけど、もしこれで彼らの身に危険が及んでいたらと考えると、勇敢な心がなければできなかった選択だと思います。

選択することには勇気、勇敢さがいる。でも、何かを動かすときはそれが大事であることを痛感させられました。

仕事をする女性の強さにもフォーカス

もう一つ、注目したのは、キャサリンがワシントン・ポスト紙のトップに立っていたことです。当時というか今もそうですが、どうしても新聞業界は男性社会なところがあります。そんな中で、この映画は、時代を走り抜けた女性のブレイブストーリーという見方もできると思います。

いろいろなことを言われていましたが、キャサリンはこの出来事で大きく業界を変えました。彼女の行動があったからこそ、ワシントン・ポスト紙はいまだに繁栄を続けているのだと思います。

正義を貫く勇敢さを学ぶにはいい教材となる映画だと感じた次第です。主演の二人も非常に演技が素晴らしく、特に終盤の掛け合いは一気にのめり込まさる迫真の演技だったと思います。彼らの好演を見るということでも、楽しめる映画だと思います。

では、今回はこの辺で。

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らいまる
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