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3月の映画の日はサンファン最終章2周目とバンパイアハンターD

 今日は池袋まで出て、グランドシネマサンシャインでサンファン最終章2周目を見た後に、池袋HUMAXでバンパイアハンターDを見てきました。
 2月同様に映画の日の土曜日だけあって、もの凄い観客でした。どちらもよく席が取れたもんです。一番の目当てだったサンファン最終章入場特典冊子・殤不患編も無事確保できたのは幸いでした。

サンファン最終章入場特典冊子・殤不患編

 もう2周目なので多少踏み込んだことを書いてもOKかなと判断しますが、サンファンにおける“悪”の定義、あるいは“悪”に相応しい末路とは「ズルをする者」「惨めなる者」であると示すことなのかなと、巨悪たちの末路を見て感じました。
 では嘲風はというと、あれは“悪”なるものというより、「例え“悪”と見なされても自分のことを見てほしい」と訴えていた少女、ということだったのかな。
 もちろん善人じゃないし、彼女の所業は許されるものでもないんですが、ただそれでも、この最終章でようやく、自分の鶯を追い求め続けたこの少女のことが理解できたように思えました。

サンファン最終章記念木偶展で撮影した嘲風殿下

 それにしても、あの木偶展ではとんでもない絵が撮れちゃったもんです。目力凄いよね、これ。

 また、仙鎮城城主の伯陽侯も、本当は強かったんですねえ。
 となると、その伯陽侯を無抵抗での敗走を余儀なくさせた婁震戒ってのは、どんだけヤバかったのやら。

結構強かった伯陽侯
やっぱり危険人物だよね婁震戒

 そして殤不患とは生まれついての漂泊者、江湖客、あるいは浪子でした。
 入場特典冊子を読んで改めてそう思いましたし、あの出生の秘密も知ると猶更そう思います。そろそろ実の両親のもとに帰ってほしいところですが、まだまだ困ってる人と遭遇し、色々な事件に首を突っ込んで、冒険の渦中に飛び込んじゃってなかなか帰れないような気もします。
 それでこそ我らが刃無鋒だと、その両親も知ってるんでしょうね。

刃無鋒の背中

 そして、午後からはバンパイアハンターDの特別上映です。

バンパイアハンターD入場特典ポストカード

 予約開始日になった途端に席が埋まっていったもので、今回取れた席は必ずしも良い席とは言えなかったんですが、そんな微かな不満は上映開始と共に吹っ飛びました。
「吸血貴族と人間の令嬢の禁断の愛と逃避行」というゴシックファンタジーと、西暦で一万年代を数える遠い未来を舞台にしたSF、吸血鬼ハンターと吸血貴族に使える異形の忍者集団が戦い続ける山風忍法帖的な異能活劇として、何ひとつ瑕瑾が見当たらない大傑作です。これが一週間限定公開ってのはもったいないって。もっと上映しましょうよ。
 また、この映画は「吸血鬼ハンターが“死ぬ”ということ」というテーマもあったように思います。マーカス兄弟のそれぞれの死にざまは、「どれだけ強くても、他者の死で糧を得る者はいずれ己も死ぬ運命からは逃れられない」という真理を告げているようでした。そして、恋人の死を嘆き悲しむ獲物を後ろから撃てず、その最後の旅立ちに「飛んで!」と声を掛けたレイラも、ハンターとしては“死んだ”とも言えます。だから彼女は天寿を全うし、家族(!)や隣人に厳かに花を手向けられる、実に人間らしい最期を遂げたんでしょうね。
 また同時に、Dという人物に対しても、「この人はずっと“友達”を求めてたんじゃないかな」とも思いました。マイエル・リンクに対して「決して人間に牙を向けない」と興味を抱いて裏切られ、レイラに対しても上記の通りでハンターとしてはすれ違い、Dは結局は左手だけを供にして孤独に歩み続けるわけです。

 今日見た二本の映画は、どちらも漂泊者が主人公の物語でした。
 そして、心通わせた相手のいるところ全てを故郷であり我が家に変えられる生まれながらの浪子の殤不患、孤独に歩む旅の中で寄せられた無垢な愛情へ笑みを送れる永劫の吸血鬼狩人のD。対照的な二人の漂泊者ですが、どちらも心地良いヒーローでした。

 そんなわけで、今日は実に良い映画の日でした。

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