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30歳の時に読んでおきたかった本、リクエストをもらったので6冊選んでみた

AIスタートアップExaWizardsで執行役員で人事をしています半田 @Yoritaka21 です。私事ですが、最近結婚式をやりまして、二次会のゲームの景品を「選べるカタログギフトスタイル」にし、その中に「半田があなたのためだけに選ぶおすすめの本」を忍ばせておきました。誰も選ばないかなと思ったら嬉しいことに何人かに選んでもらい、その方のためだけに本の推薦文を書いていたら結構な分量になったので一部加筆してnoteで公開することにしました笑。その方からのリクエストは「世界の見方広がった系、半田が30歳の時に読んでおきたかった本」とのことでした。リクエストしてもらった方のキャラクターに寄せたところがあるので好みは結構別れる気がしますが6冊ほど紹介します

■デュアルキャリア・カップル――仕事と人生の3つの転換期を対話で乗り越える

以前から結婚する前からこの人の論文は読んでたんですが、結婚を機会に精読し、これは生涯にわたって読み返すべきと思えるくらい良い本でした。DINKSカップルには特におすすめです。研究により過ぎてなく実践的です。世の中にキャリア系の研究はたくさんあるんですが、カップル研究という形でパートナーとの関係性に着目する視点は切り口は斬新です。欧米ではデュアルキャリア・カップル(夫婦ともにキャリアを何らかの形で考えるカップル)がすでに夫婦の標準型になっていて「男女が等しく仕事にも家庭にも積極的に関わることで充実した人生を送れる」という価値観が主流になりつつあります。

全てのカップルが順風満帆で行くわけではなく、離婚が多いのも事実で、デュアルキャリア・カップルが乗り越えるべき3つの転換期と、夫婦のパターンを類型化してます。

第一の転換期は、転勤や転職、初めての子供などをきっかけとし、カップルの一方のキャリアの転機や子育てによる場所や時間の大きな変化が、それぞれのキャリアに大きな影響することを意識するタイミング

第二の転換期は、二人のどちらかがこれまでのキャリアや暮らしに疑問を感じ「ほんとうに自分が望んでいることは何か」と自問し始めるタイミング

第三の転換期では、子供が巣立ったり、職場でシニア扱いされたことなどをきっかけ覚える喪失感にどう対処するか?を考え始めるタイミング

この本を読んで、以前はパートナーのキャリアについて「まぁお互いインディペンデントでいいんじゃね?」と考えていた自分が、自分のキャリアのことを同じくらい真剣に自分のパートナーのキャリアを考えるようになりましたし、めっちゃ支援するようになりました。(転職する際の企業分析とか、面接対策とか一緒にやりました。笑)夫婦で読むのがおすすめです。出版社から詳しい解説noteもで出てるのでそちらも興味があれば

■OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び

自分が30歳だった2017年の読書記録を読み返すとその年ぶっちぎりNo.1の一冊でした。シェリルサンドバーグというFacebookのCOOが、5歳くらいの二人の幼い子供を残して夫に先立たれてしまい、その絶望の淵からどのようにして戻ってきたかという話です。『リーンイン』とかで有名な人です。絶望とも言える状況をメンタル面でサポートし続けたのが、ペンシルバニア大学で最年少にして名誉教授になった鬼才・アダムグラントでした。科学的根拠に基づいたサポートの一部始終について書かれていて、ストリートとしてもエッセイとしても学術的根拠のあるレジリエンス獲得の実践本としても読んでても面白いです。知識や知恵を使って大事な人を元気にする、って優しさの上手な使い方をしているアダムグラントに尊敬を覚えこのような知恵の使い方をしたいと思わされる一冊でした。余談ですが、アダムグラントは今年の『シンクアゲイン』も最高すぎましたね(語彙)

■DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

自分は2歳の時に父親(当時31歳)がガンで死に、自分が30代前半のときに母親がステージ4のガンに罹患するなど、自分にとって30代というタイミングは否が応でも「生と死」に向き合うことが多かったです。自分のコーチや、諸先輩方に、「あなたは、どう死ぬか」というワードが頻繁に出てくることが特徴的と言われていたりもします。そんな自分にとって、この本に書かれてる「人生は思い出づくり」という考え方が眼から鱗でした。思い出はストック資産なので(幸せがSaaSでいうところの”根雪型”に積み上がっていく)自分のお金の使い方、時間の使い方、キャリアの考え方にかなり大きな影響を及ぼすようになりました。何か迷ったときは、呪文のように「DIE WITH ZERO!」と唱えながら、自分のリスク期待値よりも一歩強く踏み込むようになりましたが、今のところすごく良い選択ができている気がします。"30歳の時に読んでおきたかった本"というお題にあえて一冊答えるとするとこれですかね

■黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点

少し古くなってしまいますが、中村俊輔、中村憲剛、小笠原、槙野など、19人のサッカー選手がキャリアに決定的な影響を及ぼした1年について語る本。いい転機もあれば悪い転機もあり、もがき苦しむ姿が等身大で語られている。ちょうど自分がエクサに転職するべきか、リクルートに残るべきかを考えていたときに読んでいて、そんな意味でも印象に残ってます。

サラリーマンの転職はサッカー選手の移籍に似ているところがあると思います。若くして海外に行って成功した中田英寿や中村俊輔や高原直泰、海外で失敗して日本で成功した小笠原満男、残って成功した中村憲剛、早めに行ったけど花開かなかった宮市亮、伊藤翔など「海外に出る」「日本に残る」のタイミングを「いつ」するか、はサッカーの技術と同じくらかそれ以上にキャリアに影響を及ぼすファクターです。

行った先でがんばることも当然大事なんですけど、監督・フロントのサッカー観、ライバルの存在など自分のコントロールできない要素も多分にあり、そこをきちんと見極めることがでできるできないかで、サッカー選手としての成功の明暗ははっきり分かれるてしまいます。

キャリアに転用できることがあるとすると、「挑戦する」を選ぶにしてもなにをリスクとして行くのかを想定して行っているかによって、困難への向き合い方も変わる、ということです。サッカーでもビジネスでも成功する人の共通点って結構あると思っており、「今年は勝負の年」と思ってる方に、ぜひそれぞれのサッカー選手の岐路となった一年のストーリーを味わってほしい一冊です

■モンク思考―自分に集中する技術

骨太な本なんですが、一章単位でも一冊分の価値があるくらい深い本でした。自分はオーディオブックも持ってるんですけど、さすが坊主の説教、精神安定剤としての使い勝手が抜群です。思い通りに行かなくなったり、イライラしたり、辛くなったら所々ピックアップして読み返してます。経典のごとく分厚いので、自分では買わないかもなので、人からプレゼント的でもらうにはいいきっかけになるかもしれないです。無宗教の人でも気軽に、自分の「恐れ」に向き合い、解放されることを考えるきっかけになる本かなと思います。

■JTのM&A 日本企業が世界企業に飛躍する教科書

日本企業のクロスボーダーのM&Aの成功例としてよく取り上げられるのがJT。日本企業の史上最大の海外企業買収をリードしたJTの新貝さんが、M&Aの目的、買収のプロセス、買収後の統合のポイント、M&A人事戦略の一部始終について書かれた本です。リクルートが海外買収戦略を強化してるときにも社外取締役として迎え入れており、日本を代表するCFOで当時は完全に雲の上の存在だった新貝さん。そんな新貝さんの頭の中が覗くことができます。経営の手段として、「ファイナンス」や「人事」を使うことの事例、リーダーシップやオーナーシップの持ち方などが学べ、とにかく視座が上がる一冊。その後、新貝さんはなんとエクサウィザーズで社外取締役として関わってくださることになりご一緒することになるのですが、ことあるごとに本書で書かれている「関心なくして敬意なし、敬意なくして信頼なし、信頼なくして協同なし」というフレーズを使われていて、自分も座右の銘の一つです。

お知らせ

最後は宣伝っぽくなりましたが、そんな新貝さん(元・JT代表取締役副社)が若手向けに特化してこれからの未来について話をしてくれるイベントが来週ありますので告知をさせてください。中身見てますが、これ本当に無料でいいの?という内容です。学生や30代前後の若手の方から、「世の中にインパクトを残したい!できればグローバルに!」ということをよく聞きますが、本当にインパクトを残した方が、どんな目線で何を考えているのか、必見のイベントです!

10-12月はキャリアや人事について発信を強めていこうと思っておりますので、よろしかったらTwitterのフォローもお気軽にお願いします


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