化学物質過敏症とは何か
今回は渡井健太郎さんの化学物質過敏症とは何かを読んだ。化学物質過敏症は聞いたことはあったものの、詳細は全く知らなかったので読んでみたのだが、やはりまだ確定的な原因は不明で疾患概念、診断基準もあいまいな印象をどうしても受けたが、現時点では仕方がないのだろう。脳過敏とも呼ぶべき状態のようだ、嗅覚過敏や系統だっていない様々な物質に対して過敏症のような症状所見を停止、アレルギー疾患とは一線を画するようである。過敏性腸症候群や気管支喘息、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群、片頭痛、脳脊髄液減少症、食物アレルギー、線維筋痛症など様々な過敏症やアレルギー疾患等を合併することも珍しくはないようだ。よくよく考えてみると、自らの臨床経験を思い返してみても、何かいろいろな薬剤や食品にアレルギー、過敏症があると訴えており実際そのような経過を垣間見ることができるような症例は数例心当たりがある…よくわからない疾患だが西洋医学だけではなかなか太刀打ちできないようなこの化学物質過敏症というものに該当する症例が存在するのかもしれない。問題は質問票や特徴的とされる症状で大まかに診断がつけられている印象を受けたのと、原因がはっきりしていないため標準治療やガイドライン、見ることができる専門医が不十分であることだろう。ただし、このような疾患概念が海外も含め提唱されており、このような病態に当てはまると思われている症例が一定数存在するということには思いをはせておくのも一定の意義があるのであろうということだ。最初から化学物質過敏症が疑わしい方に対して、気のせい、精神疾患でしょ?などという価値観を押し付けるのも良くないだろうと思える。ちなみに、筆者の提案する対策の中にはやはり食事や睡眠、運動、ストレスケアに関しても記載がある、これらは予想通りであった感もある。よくわからないが、グルテンやカゼイン、様々な食品添加物なども関連が完全には否定できないのかな…。