妻と僕のPMDD生活41日目
妻の安定は僕の安定で、
僕の安定は妻の安定。
*
ジャイアンみたいな言い回しですね。
最近の僕は生き方を変えた。
心持ちを変えたと言うべきか、
物事をポジティブに捉えるようにしている。
まだ不慣れでつい悲観してしまうけれど、
それでと以前よりは穏やかになった。
と思う。
PMDD妻はと言えば、
同じく起伏が緩やかになった。
気がする。
ん、待てよ?
そしたら、先日の暴言は何なのだろうか?
*
妻はPMDDだ。
PMDDとは生理前に不調になる病気。
不調は様々でひどく落ち込む日もあれば、
ものすごく攻撃的になる日もあって、
物事すべてに絶望する日もある。
そんな妻を焦ったくも愛おしく思える。
つい先日、他愛ないことで、
妻は僕に暴言を吐いた。
服のサイズ感についてだ。
妻はあるサイトでスウェットを選んでいた。
僕に「どっちが良い?」と妻は聞く。
ジャストのMサイズもしくは、
少しゆとりのあるLサイズ。
「このデザインだったらLが良いと思う」
僕も僕でそれだけに止めれば良いのに
「Mだとパジャマみたい」と加えた。
そこに妻は激怒した。
「誰がこの値段でパジャマ買うねん!」
「パジャマ欲しいって言ってたか?」
「パジャマやったら要らんわ!」
お気づきだろうか?
僕はパジャマみたいと言っただけで、
パジャマとは言っていない。
それもMサイズを買えばの話だし、
それもあくまでサイズ感の話だ。
僕は「ごめん、違う違う、サイズ感の話」
とリカバリーを図るが、
妻はもう耳を休日にしている。
つまりもう閉じている。
「もう要らんわ、これ!」
やれやれしまったしまった。
PMDD期だったことを忘れていた。
*
「デザインは良いし、Lサイズ買っとき」と、
僕は再度妻に問いかけてみた。
しかし妻はRPGの村人が如く
「もう要らんわ、これ!」の一点張り。
「僕が買おうか?」と言ってみたものの、
妻は「サイト閉じた」と言い張っている。
でも、スマホを手から離していない。
こう言う時の妻は「欲しい」のだ。
だけどキレた手前、買えないでいる。
天邪鬼。
鬼嫁とは違い、妻の場合は嫁鬼。
つまり鬼のような嫁ではなく、
嫁こそが鬼なのである。
こんな時は金棒を持たせるのでは無く、
時間にゆとりを持たせてあげれば良い。
「取り敢えずコーヒーでも飲もか?」
と僕は言いキッチンに向かう僕。
ガリガリとコーヒー豆を潰していると、
妻から「コーヒーは飲む」と聞こえる。
そして2人でコーヒーを啜る。
ドラキュラの弱点はニンニクで、
我が家の嫁鬼の弱点はコーヒーだ。
どこのテストにも出ないけれど、
我が家にとっては重要な一文だ。
*
色々と綴ってはいるものの、
妻のPMDDは安定している。
あくまでも過去に比べれば。
たとえ調子が悪くなっても妻が良い。
PMDDだとか、何とか抜きにして、
僕は妻の人柄が好きだから。
人柄では無く、鬼柄だった。
ゴホン、妻の鬼柄が好きなのだ。
今日届いたLサイズの
スウェットを眺める妻に思う。
メガッパ