鬱社長が赤字会社を継ぐ②
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僕は堕落した人間です。
熱中している時間は短くて、
すぐに「面倒臭い」と思ってしまう。
社内打ち合わせも、資料をまとめる時間も、
朝起きてデスクに向かうことも、
そもそも着替えることも面倒臭い。
僕のやる気スイッチは固くて重い。
持続性がなくて、
常に「ラクしたい」がよぎる。
カレンダーを見ては、
次の連休のことを考える。
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とは言え暇も大嫌い。
何か物事を考えていたい。
仕事中は余計なことを考えなくて済む。
「また赤字だな」
「来月はどうなるの?」
「このままいけば…」
ネガティブが体中を支配する。
そうならないために行動はしている。
電話したり、訪問したり、
会社のアピールは目一杯している。
でも、結局は何にもなっていない。
「また何かあれば声掛けますね」なんて、
生温い言葉をいただき、
訪問先を追い出される。
いっその事、
「あなたと仕事しません」と
言ってくれる方が良い。
踏ん切りがつけられるから。
でも、ここはおもてなしの国・日本だ。
わざわざ訪問していただいたからには、
優しい言葉で終わらせるべきだ。
と言わんばかりの、
「また連絡します」の笑顔締め。
同じ笑顔の人たちにお辞儀して、
その場を名残惜しそうに後にする。
「どうせ何にもならないだろうな」
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会社自慢になるけど実力はある。
と思う。
広告業界で実績があって、
パンフからチラシ、ロゴ、Web、
コンセプト、動画、イラストなど、
多岐にわたって仕事ができる。
「クオリティ高いですよね」
「仕事早いですよね」
と言われることもしばしば。
でも、それ止まり。
次の仕事は再来月か、はたまた来年か。
次に繋がらない。
営業の方に聞きたいです。
残り800万円を稼ぎたいです。
それで経営的にプラスマイナスゼロ。
どうすれば良いですか?
コンスタントに依頼が欲しいです。
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最近は仕事のことばかり綴っている。
前段から脱線して、
仕事が欲しいと懇願している。
あぁ、情けない。
赤字のことばかり。
でも情けなくても、鬱でも、適応障害でも、
会社を立ち直さなければならない。
堕落な人間なのに毎日必死だ。
あがいて、もがいて、
それでも後ろかも前かも分からないなりに、
進んでいくしか無い。
世の経営者を改めて尊敬する。
どんな人であれ、凄く凄く立派だ。
僕は立派ではない。
だけど、明日は立派になれば良いな。
メガッパ