待つ者にこそ幸いあれ(羊たちの沈黙)
「羊たちの沈黙」を観たのでレビューします。
【作品情報】
監督:ジョナサン・デミ
出演:ジョディ・フォスター、アンソニー・ホプキンス
【おすすめ度】
★★★★★★★★★☆(9 / 10)
【あらすじ】
FIB訓練生のクラリスは、女性の皮を剥ぐ猟奇殺人鬼バッファロー・ビルの捜査に加わることとなった。犯人特定のため、彼女はある囚人へプロファイリングの協力を試みる。その囚人とは、人を殺して食べるシリアルキラー、ハンニバル・レクターであった。天才精神科医でもあったレクター博士への捜査協力の取り付けは容易ではなかったが、博士はクラリスに興味を持ち始める。ある条件と引き換えに博士は捜査に協力し、クラリスはバッファロー・ビルの行方を追うが・・・
【感想】
天才精神科医レクター博士が活躍するハンニバルシリーズの第一作目です。捜査官見習いのクラリスが、シリアルキラーであるレクター博士の協力を得ながら、バッファロー・ビルという連続殺人犯を捕まえようとする物語です。
どこかに闇を抱えながらもひたむきに捜査官として奮闘するクラリスと、天才精神科医でありながらシリアルキラーなレクター博士という、対極に位置する2人が織り成すタッグが、この作品の最大の見所だと思います。2人の、相容れない立場の者同士でありながらも、どこかで何かが共鳴している、互いに蔑ろにはできない歪な関係性が絶妙です。
クラリスの奮闘で物語の核となる事件は、一応解決します。が、レクター博士もしっかり脱獄します。博士による恐ろしいディナーの始まりで終わる不気味なラストは秀逸で、何度観ても魅力がありあまる傑作だと思います。
【セリフ抜粋】
「待つ者にこそ幸いあれ」
クラリスがレクター博士に捜査協力を取り付けるシーンにて。株価の変動に一喜一憂する人が聞くべきセリフ。