35歳の俺の人生はまるで弾切れの銃だ
「ゴールデン・リバー」を観たのでレビューします。
【作品】
監督:ジャック・オーディアール
出演:ジョン・C・ライリー、ホアキン・フェニックス
原作:パトリック・デウィット
【おすすめ度】
★★★★★★★☆☆☆(7 / 10)
【あらすじ】
ゴールドラッシュ時代のオレゴン州で殺し屋を生業とするシスターズ兄弟は、雇用主である提督から、ウォームという探鉱者の抹殺を依頼される。兄弟は連絡役のモリスと落ち合うはずだったが、彼がウォームの側に寝返ったこと、ウォームが探鉱者ではなく確実な金の発見方法を持っている化学者であることなどを知る。山を越え街を巡り後を追う兄弟は、遂に彼らを見つけ出すが・・・
【感想】
ゴールドラッシュに沸く時代、一攫千金を夢見る男たちのドラマを描いた映画です。主人公のシスターズ兄弟は相当腕の立つ殺し屋で、穏やかで冷静な平和主義者の兄に対し弟は、血気盛んで喧嘩早い理想主義者という、対照的な兄弟です。そんな彼らは中盤、抹殺依頼の対象であるウォームとモリスを見つけますが、彼らと手を組む選択をします。
協力関係を築いた4人は、一攫千金が夢物語ではなくなった現実に沸き立ちますが、不慮の事故によりその現実が夢物語へと戻り、ウォームとモリスが不遇の最期を遂げます。依頼不履行のシスターズ兄弟は雇用主から命まで狙われて逃亡劇を強いられますが、最終的に収まるべき所へと戻ります。
ただ家に帰りたかったシスターズ兄弟の、あらゆる意味で長すぎた旅路の末路を描いた物語のようでした。中年4人が一時的に夢を見て青春を謳歌するシーンや、ウェスタンな銃撃シーン、対照的な兄弟の絆を感じるシーンなど、随所で雰囲気や描写の良さが感じられる、口を開けて眠ってはいけないことがよく分かる映画でした。
【シーン抜粋】
モリスがウォームと談笑するシーンにて。ミドルのエイジがクライシスなセリフ。