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#240 論点とは意思決定の根拠になる問いであり、検討項目名ではない 24/9/9

こんにちは。
今日は、何かを決めるときの論点、について考えます。

(実例を基に編集しています)
考えるきっかけは、かなり頻繁に見る機会がありますが、会議の起案やそのプレゼンテーションや商談打ち合わせにおけるシーンです。たとえば半年ほど前に人事制度のチューニングを検討するプロジェクトが走っていました。

そのときに、論点と示されたものは、たとえば、こんな解像度です。
等級制度はどの形をとるか?
何を評価するか?
何に対して報酬(金銭報酬)を支払うか?
雇用形態は、何パターン用意するか?

かなり丸めて例示しましたが、この粒度の問いを論点と言うと、相当に疑問を抱きます。論点と言うよりは、単なる検討事項だからです。

たとえば「等級制度はどの形をとるか?」は教科書的に思考すると、職能型、職務型、役割型と、人事経験者ならだいたいこの3つに分解して想像できるでしょう。仮にその3つの中から、より自社に適するものを選択する与件だとした場合、どんな論点が生まれるでしょうか。

たとえば、自社として、
・自社の従業員になってほしい人材像を、どのような軸(能力的?役割的?ジョブ的?)で定義しメッセージするか。
・管理職(ミドルマネージャー)、メンバー、専門職などの職制による処遇の違いはどのように取り入れるのか、考えるのか。
・従業員の新陳代謝をどのようなスタンスにするか、従業員のLTVライフタイムバリューをどのくらいに設定するのか。
・成長のマイルストンを、どのくらいの期間で、どのくらいの仕事ができるようになってもらうと考えるのか。
・従業員のキャリア形成や発達段階をどのような階段にするのか。

このようなことが挙げられると考えます。仮に、職能型、職務型、役割型の中から自社に最適な等級制度の在り方を選択するときに、上記のようなことを制度設計の前提≒思想として考えておくことです。これが、モノゴトを決める際の「論点」ではないか、と考えます。

意思決定・選択をする際に、決定理由と言えるような根拠(前提する理由や思想)になる重要ファクターを論点と言うと考えます。

その論点は、できるけ抜け漏れがないほうが良いでしょうし、現状の何を変えるのか=何を否定するのか、があるとよいと考えます。一方、抜け漏れなく洗い出ししようとすると、時間と労力がいくらでもかかってしまいます。ですから、ある程度焦点を絞って(ここにセンスが出てしまうところでもあります)論1,2,3くらいにできると現実に使いやすくなるのではないでしょうか。

ではついでにそのチョイスのセンスはどうやって思考できるのか、考えてみます。

それは、決定理由と言えるような根拠(前提する理由や思想)を作る際に、具体的な従業員の声や、現場現場で起きている事実を基にすることです。特異な例も時にありですが、統計の中央値的な、典型的なことを基点にするとよいと考えます。特異な統計の外れ値を取り入れる場合は、マイノリティの声、ノイジーマイノリティではなく、本当に立場の弱いマイノリティの声に耳を傾け、それを取り上げることです。

このように考えていくと、議題の「論点」が確立できると考えます。
検討項目名やタイトルは論点ではありません。

論点は、意思決定の根拠になる、判断のもとになる「問い」と考えます。

さて、みなさんは自分の選択を決める際に、論点化されていらっしゃいますか。
それでは、また。

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