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#234 「村上隆 もののけ 京都」展の感想 24/8/26

みなさん、こんにちは。
今日は、「村上隆 もののけ 京都」、アート鑑賞の感想を共有してみます。

わたしは、アートは初心者、素人なのですが、村上隆さんの存在はもちろん存じ上げていました。しかしながら、今まではあまり興味のアンテナが立ちづらいアーティストさんだと感じていました。ど素人の発想前提でご容赦願いますが、アーティストというよりデザイナー、アニメーター。ポップカルチャー的な要素の強いデザイナー的なイメージを持っていたからかもしれません。それは、描く代表的なキャラクターや、ルイ・ヴィトンとのコラボレーションの影響の強さかもしれません。

そのようなバイアスを持ちながら、一度ちゃんと鑑賞させてもらおう、とみてきました。どうやら「日本では最後の展覧会」になるようで、これは絶対に見ておかないと後悔すると思ったこともあります。

50年後、100年後、N年後、後世の人々が村上さんの作品を見て、「この時代はこのような時代だった」と感じたり、考えてもらうことを想像して、メッセージを表現している考えを見聞しました。

たとえば本企画展の看板作品の1つであろう、「風神・雷神」です。良い意味で軽く、気の抜けたような風神、雷神が描かれています。当然ながら、単に奇をてらった表現ではありません。今、この現代の日本人が緩く・ルーズであるか、をこの2体の風神・雷神に落とし込んだのです。

このことを知らないと、「あの風神・雷神、可愛かったね」と小学生の夏休み日記になってしまい、村上さんのメッセージを知ることができません。しかし、この日本人のルーズさを、現実に、かつ皮肉に表現したとすれば、現代で見させられている自分たちは、そのメッセージに対して、自分はどうするか考えて、これからの生き方に反映させていきたいと考え至ります。

技術的にも、人間工学的な視点を村上作品には取り入れられているようです。人間の目線がどのように動くか、にあわせて、ポイントポイントを作品に取り入れています。アートとサイエンスが、1枚1枚の作品に含まれているのです。

アートというと、そのアーティストの感性100%で表現しているものだ、と誤解しそうです。が、仕事もアートも、技術・科学的な部分と、その人の個性や思想を表現する創造的な部分とが、組み合わせられて1つの成果物・作品になる、と改めて感じます。その作品や仕事の成果物を受けて、それを受け取った人たちがそのあとにどうしていくか、これが成果や影響なのかもしれません。

表現するとは、やっぱり多様で、ユニークで、奥深いな、と感じます。

さてもう少し。
村上さんの作品、フラワー、DOB君など。これらのカラフルで、元気をくれるハレ、と言ってよい作品たちは、見るだけで単純にパワーをくれます。見ていて楽しい気持ちにしてくれますし、なんかわくわくして、がんばろうとの気持ちにしてくれます。その単純な作品たちの影響力にも脱帽します。

今回のテーマでもあるもののけ、洛中洛座に描かれるドクロや、キャラクターたちをもののけ風にした作品、ハレ作品に真逆のケの作品たち、これはこれで人間に内在する二面性・裏表、明暗を表現しているように感じます。心地の悪さを気持ちよく潤滑に入ってくるように、上手に人間を表現しているように感じます。

そして最後に、NFTやAIのテクノロジーを活用した作品づくりも取り入れていることに表現者としての好奇心の強さ、多才さを感じます。フラワー君をいろんな表情にして、トレーディングカードとして販売するあり方も、人の行動心理を良く知った上での表現で、恐れ入りました。

食わず嫌いせず、どんどん興味を持ったことに積極であろうと感じさせてくれました。

さて、みなさんは、心を揺り動かされていることにタッチされていらっしゃいますか。
それでは、また。

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