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#67 部下想いの上司の難しさ 24/2/1

みなさん、こんにちは。
メンバー想いの上長、メンバーにやさしいとは、の実態について考えます。

先日、ある問題社員の労務対応をした際に感じたことです。
半年ほど前から体調不良(のちネグレクトと判明)で週2〜3日は欠勤や遅刻していた従業員がいました。その勤務状況ですから仕事のパフォーマンスは言うに及ばずです。
一方、その従業員は、できる自分と現実の自分とのギャップに倒錯しているようでした。ゆえに不調をきたし、一時的に休みが長く続いていました。後に分かったことですが、その期間中に、SNSで音楽活動やアルバイト活動(当然未許可です)の様子を楽しく発信していました。

その後の勤務状況も前述と変わりません。一層悪いことに、勤務日の遅刻・早退の虚偽申告、また残業時間を水増ししようとしていました。給与控除をされないよう、そして時間外手当を得るための行為でした。
これについては、会社としての然るべき対応をしたことは言うまでもありません。その処分があった矢先に、今度は(結局以前からそうだったことが後解釈として判明)、出勤後終業時間まで、離席していることに気づいたそうです。念のためオフィスの入退室記録を確認すると、その見たとおりでした。

この従業員に対して半年以上の間、事実上、直上長の課長ではなく、部長が主として対応していました。
その間、評価査定が2回ありました。1度目の評価では、「まだイエローカードで留めたい。減給評価は待ちたい」でした。2度目の評価では、その間業務改善指導書も発行していることもあり、評価査定上も厳しいものにすると、人事部門のわたしたちは想定していました。
ところが、「改善指導をしてから、ここ1〜2週間は勤務状況が良くなってきている。出勤した日は、まずまず仕事をしているため、減給評価はせずに、信じたい」でした。
かなり議論を経て、前回イエローカードの評価査定に留めていることも考慮し、2度目の今回は減給に、しかし最小限に留めることで着地をみました。
2度目の評価査定の1ヵ月後には、前段の勤務時間問題があって、また異なる対応を重ねることになったのですが。

さて、この部長や課長は、社内でもとりわけメンバー想い、メンバーに寄り添うやさしさを持つ、と評判の人たちでした。確かに、2人は日頃からの従業員に対する言動は、やさしいものとわたしたち人事部門も感じるところです。

しかしながら、過去、今回のような就労不能に近い従業員やトラブルを起こす、あるいはネガティブキャンペーンを張ってしまう従業員に対しても同様でした。職務遂行上、お客様をはじめ他者に悪影響行動をする従業員に対しても、やさしさに寄るマネジメント判断をされていました。

その折々で、対応判断に対して、彼ら彼女らの上長やわたしたち人事部門も交えて、何度となく協議を重ねてきた経緯がありました。
「その判断は適切なのか」
「その従業員にとって、本当に良い判断なのか」
残念ながら、わたしたちのフィードバックや問いかけが理解されることは中々に難しい結果でした。

わたし自身も、原理原則は、人に対しては性善説です。しかし、他者に悪い影響を与える言動に対しては、論理的結末としての対応判断をするスタンスです。
なぜなら、真面目に仕事をしている従業員、正直者がバカを見るから、です。さらには、判断を下した上長のミドルマネージャーたちが、脅威に晒されるからです。

その最後の砦は、わたしたち人事部門が、ラストマンシップを発揮して、彼ら彼女らの安全を確保するのが使命だからです。

一方、やさしさ、は本当に相手に対するやさしさなのか、上長サイドは自問することも必要でしょう。
そのメンバーに対するやさしさは、耳障りの良い、自己満足のやさしさになっていないか、点検が必要かもしれません。
そして、人事部門は、ゆるブラック体質になっていないか、組織単位の点検をすることもありかもしれません。

みなさんは、どう感じられますか。
それでは、また。

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