#134 ダイバーシティを進める障壁になるバイアス 24/4/8
みなさん、こんにちは。
今日は久しぶりにダイバーシティを考えてみます。
考えるきっかけは、先日ある女性幹部が会議の雑談で話していたことを聞いていてちょっとした違和感を覚えたことです。ジェンダーダイバーシティを進めようとする際、この自覚、自己認識は1つの論点だと考えています。
それは、現在、役員など要職、あるいは課長職以上の女性も、ビジネス人格上の価値判断など思考スタンス、行動スタイルが男性的である人が多い点です。例えるなら、羊の皮をかぶった狼です。
ですから、男性を含めた課長職以上の管理職(ミドルマネジメントから役員幹部)の大半、感覚的には9割前後が同質性の高い集団だと考えます。
同質的なのは、ビジネス人格や思考・行動様式のOSです。ステレオタイプな男性性が強いことです。たとえば、ガンバリズム、長時間労働、会社への忠誠心、封建的、上位下達、空気を読む、など昭和的ノルムともまとめられる価値基準です。
では、どんな言動、発言からそう感じるに至ったのか、です。
その会議は、対面リアルとオンライン参加のハイブリッドでした。
参加者の誰かが「こちらはオンラインなので、リアル側の人たちが同時に発言すると、聞き分けることができない」と言いました。
すると、女性役員が「女性は同時に複数の人が話しても、こっちで作業していて、あっちで何か起きていても、両方把握できますよ」と反応しました。
さらに、別の女性が「だから、〇〇の仕事(伏せます)には女性が多い理由なのかもしれませんね」と重ねました。
この2名の女性幹部以外の女性幹部も含めて、違う会議シーンでは、こんな発言もありました。
「会社側が転勤命令を出せないと、事業運営ができない。転勤可能な人には、プラスアルファの(金銭的)手当を厚遇したい」
「私たちが一般社員の頃も、社命による異動・転勤辞令は、当然に従うものと疑問も不満もなかった。現在の従業員からも、何か不満の声を聞くことはない。そういうものだと理解している従業員がほとんどだと思う」
「(当社の)この事業によって地方を、地方の企業を盛り上げていこうと本気でやろうとするなら、地方だけの人材ではできないと思う。東京や大阪など主要拠点から転勤してもらって、携わることが必須だと思います」
これらが、何人かの女性幹部から出てきた、あるいは交わされていた発言でした。
これには中々に、わたしも「参ったなあ」が心の中の第一声です。
一方で、これがジェンダーダイバーシティが進んでいない大半の日本企業の現実だろうと、妙に冷静に納得してしまったところもあります。
封建的な男性そのもの、男性中心の社会通念がダイバーシティを進める障壁になるのは間違いありません。しかしながら、女性管理職たちのメンタルモデルそのものが男社会的で、妨げになることも多分にあるのではないかと想像します。
みなさんの組織、会社ではどんなことが障壁になりそうですか。
それでは、また。