#145 問題解決は不変=変わらないことは何かを抽出する 24/4/19
みなさん、こんにちは。
今日は、問題解決を企画することを考えます。
なんとなく頭の中に課題感を持っていたのですが、パッと点と点が繋がった瞬間があったのが考えるきっかけです。
広義の企画、企画とは問題解決を指すといってもよいと考えています。分解して問題を定義する、設定する、課題を解決する、ことだと考えています。その企画を考えるときに、とかく情報をアドオン×2に付加する、効果のビフォー・アフターや違いは何か、と持っていきがちです。そして、解決された際にもたらされる付加価値は何か、とここでも付加に視線を置いてしまいがちです。
一般に、論理性の高い、頭の良い人と言われる人ほど、このように企画を立てる際に思考する方が多いのではないかと考えます。
これはこれで間違ってはいないアプローチだと思います。むしろ、思考の仕方、問題設定、課題解決策の立案における真っ当だと考えます。このプロセスが多くの人は苦戦するからこそ、論理性をもって問題解決を進められる人が重宝されると考えます。
しかし、このアプローチで企画すると、問題解決がまた新たな問題解決を生む、無限ループにハマることもしばしばあります。レイヤー1の課題は解決したものの、また隣に、その背後に、解決しないといけない問題が現れてくるようなことです。
たとえば、採用選考を例にしてみます。
内定候補の応募者に対して、リクルーターは、たとえば最終面接前に、面接官および応募者のそれぞれに対して面接対策を施します。
そのときに、これまでの選考過程の情報を整理して、応募者をあらためてプロファイルし直します。プロファイルするときには、応募者やエージェントが言っていることをそのままに真に受けない、客観的な立ち位置で情報に接することがキモです。もちろん、行き過ぎて自分の思い込みに傾倒してしまう可能性もありますから、その程度感は留意します。
さて、リクルーターは最低でも以下の点をプロファイリングします。
まず応募者の転職理由や背景は何だったか。
次に、そのきっかけを経て、転職する目的を何とおいているのか。
そして、転職して短期的、中長期的に得たいことはそれぞれどんなことか。
最後に、それを得られる場所・環境はどこが最適なのか。
これらが、転職活動の目的に関する情報です。この情報を通して、応募者のより不変の仕事観を見通すことが可能です。
次に、リクルーターにとって大事な併願採用競合企業の存在です。
面接において直接的に、または紹介元のエージェントを通して、併願企業情報を押さえておきます。これも面接では、面接官の腕次第でヒアリングできていないこともそこそこあります。併願企業を知ることで、応募者の大事にしたい転職の本音が見とおせます。企業の格、募集ポジションの職務内容、年収や働き方条件に関する優先度あたりです。
最後に、応募者のキャリア観です。いわゆるWill・Can・Needs(Must)のフレームに沿って、応募者のキャリア経験の核となる部分を整理します。ここから、仕事で成果を出せる人なのか、成果を出すためのリーダーシップ発揮経験がどの程度なのか、得意技や苦手な環境はどんなことか、と見通すことが可能です。
少し長くなりました。ここで注意が必要です。上記の情報たちは、すでに応募時のレジュメやエージェントの推薦状、面接のログなどから、9割方開示された情報になっています。しかし、多くのリクルーターは、最新の、よりホンネの、より正しい、情報を欲して、追加追加の情報提供をエージェント企業や面接官に要求してしまいます。俗にいわれる、くれくれ病です。テイカーと呼んでもよいかもしれません。
これが問題です。
とかく情報精度を上げるために、プロファイルする、洞察する、となると、さらなる情報を欲してしまう人が大半です。追加された情報は取り扱うことができないほどの量になり集まります。そうして集まった情報は、上方の視点が分散的、そして拡散的にならざるを得ません。そうすると、あれもこれも、あっちも大事だけどこっちも重要、と収拾がつきません。情報の洪水に流されてしまう状況です。
ですから、ここで逆の発想をします。今ある情報から、どんどんそぎ落としていきます。より重要なホンネに近いのは何か。そうすると、見る視点は、その応募者にとって不変なことは何か、変わらないことは何か、に行きつきます。この「変わらないことは何か」の視点から情報を分析することで、芯を削り出すことが可能になります。
ゆえに、広義の企画≒問題解決には、不変は何か、変わらないことは何か。
この点を押さえることがめっちゃキモだと考えます。
さて、みなさんの中の変わらないことは何でしょうか。一度ご自身を実験台に試してみてもよいかもしれません。
それでは、また。