#187 問いを立てる【2/2】24/5/31
みなさん、こんにちは。
今日は、昨日に続き、問いを立てる、について考えます。
さて、問いを立てるとは、言い方を変えると、「何が問題なのか」と言えます。
先日、ある事業責任者との打ち合わせで、こんなシーンがありました。外部企業から当社に出向している従業員の評価方法に関する議題でした。
事業責任者が疑問に感じたのは、まさに問いを立てたのは、「出向者の評価(記号とその査定額の反映)が、当社でつけた評価が在籍元の人事制度にのっとって機械的に読み替えられるのはおかしいのではないか」でした。
該当従業員の等級格付けは比較的上位等級でした。その場合、当社で真ん中の評価だと、昇給額が6000円(仮)だったとします。他方、在籍元の企業では、真ん中の評価が3000円だったとします。
評価記号の読み替えは、企業間人事で、意味合いとして同じ評価基準と記号を突合して、読み替え内容を合意し、用意しておきます。ですからそれに従うため、機械的といえばそのとおりです。
ですから、わたしは事業責任者に対して「機械的な読み替えの何が問題ですか」と確認をしました。
「こちらの評価意図、メッセージの強度が汲まれないまま、機械的に読み替えられるのでは困る。個別に評価することをなぜしないのか」
「それをしていたら、読み替えではありませんね。企業間出向においても、出向先企業が付けた評価を、在籍元企業の制度に限らず、反映させてほしいと仰っていることになりますね。個別の評価とその昇給額をそのまま反映させてほしい、と仰っているように認識しました。合っていますか?」
「そのまま、とは思っていないが、一定の考慮、反映をすべきでないとおかしいと思っている」
「そうですか。出向の場合は、出向先で一度評価をつけ、出向元企業の制度に意味的に最も近い読み替えることが合理的かつスタンダードです。結局は個別評価を反映してくれと要望されるのは、そこに恣意性を差し込むことにもなり得ると考えますが」
「そういう意味ではないのだが、こちらの評価メッセージが反映されないと思う。機械的に記号に置き換わって伝わってしまうのでしょ?」
「記号自体は機械的に置き換わりますね。もしかするとですが、最終的にどの評価記号=評価基準になったかを心配されていますか?」
「そうだ。当社の制度だと、期待を大きく上回る評価づけをしたのに、読み替えられた記号の基準が『期待どおり』だとしたら、メッセージが異なってしまうのではないか」
「それを『問題だ』と言われたのですね。だから最終的に在籍元企業の制度でどの記号になったかを『確認する必要がある』と言われた意味ですね。理解しました。あとは、記号の意味する評価基準が少しずれている可能性については、評価フィードバック内容を申し送ることで緩和・解消できると考えます」
このようなやり取りを持って、問題意識の共通認識をしました。
そして仕事の問題解決には「何が問題なのか?」をできるだけ解像度高く、問いを立てること、だとわたし自身再認識した一件でした。
さて、みなさんは、問題解決において、問いの立て方をどのようにブラッシュアップされていらっしゃいますか。・
それでは、また。