ウサギの教室 #2 ~バイオミミクリーってなんだ?part2~
こんにちは 眠らないウサギです。
前回、バイオミミクリー、バイオミメティクスってなーに?ということを有名な具体例とともに説明させていただきました。今回はそれに続くものとして新幹線に秘められたバイオミメティクスというお話をさせていただきます。もしこれに最初に出会った方はよろしければウサギの教室#1(前回)と僕の自己紹介の方ご覧いただけると幸いです。
新幹線、かっちょ良いですよね~!先端が尖った流線形になっているのが特徴的ですよね。これは言うまでもなく空気抵抗を少なくさせるためです。新幹線の開発者は騒音、衝撃、そして空気抵抗等総合的に判断して今の形に決定したそうです。その実験をした結果として形がカワセミのくちばしに似ていることに気づいたそうです。カワセミは獲物が自分の射程圏内に入ると頭から急降下し、獲物を見事に捕まえることで有名です。カワセミの効率よく急降下するという事、そして自分の頭部への衝撃を抑えること、そして気づかれづらいよう音を出しづらいものにすること、これは新幹線に要求されたものと同じですね😊
さて、ここまではひょっとすると知ってるよ~という方もいらっしゃったかもしれません しかし新幹線に秘められたバイオミメティクスは他にもあります。それが「フクロウとパンタグラフ」です。
フクロウについて
フクロウは夜行性の鳥で、野ネズミなどを食べて生きています。従って狩りの際は「音」がとても重要になります。フクロウの耳は左右で形と位置が違い、そのずれを利用して音だけで獲物がどこにいるかということを判断するすごさもありますが、ここで注目したいのはその羽に隠された秘密です。
ネズミもいくら正確に位置を把握されても、バッサバッサ羽音が聞こえれば逃げることが出来ます。つまりフクロウは音を出来るだけ小さくして獲物に近づく必要があります。
パンタグラフについて
車両の上に付けられる、電気エネルギーを接触集電する装置。
新幹線の一番の騒音源と言われている。(車両から飛び出てて、抵抗も大きいことが予想されるためイメージしやすいかと)
この羽音を極限まで小さくしないといけないという命題と新幹線におけるパンタグラフから発生する騒音を小さくしなければいけないという命題の類似性に新幹線の開発者は気づき、こちらは結果的にではなく意図的に設計に組み込んだそうです。
上が、パンタグラフの写真、下がフクロウの風切り羽にあるギザギザ構造(セレーション)です。
一見共通点が見つけづらいかもしれませんがポイントは「ギザギザ」です。セレーションは言うまでもないですが、パンタグラの方は側面についているギザギザ、これがポイントになります。
ギザギザがあることにより、空気における強い乱流や、剥離渦の発生が抑えられるため消音効果につながるというわけです。(少し難しいかも😂)
簡単に言えば騒音は流れの乱れによって生じるというわけです。水だって波や泡が出来ない限りは静かですよね。段差などにより波や泡が出来ると音が発生します。この時実は水中では渦が出来ています。このくらいの理解でここは良いと思います。(いつか気が向いたらこの辺の流体力学、水理学的なこともやるかも?😏)
少し脱線しましたが、まとめるとフクロウの音を出さないという特徴に注目してこれを新幹線の主たる騒音源であるパンタグラフに応用したというわけです。参考にした本によるとこれは「翼型パンタグラフ」と呼ばれ、およそ30%の騒音削減効果があったそうです。
以上が新幹線に秘められたバイオミメティクスです。いかがでしたでしょうか? 最後まで読んでいただきありがとうございました。好評でしたらこの後続編としてまだまだたくさんあるバイオミメティクスを紹介するかもしれません😇
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それではまた😊
写真利用
https://www.7midori.org/katsudo/kouhou/kaze/meister/16/index.html
https://www.sagami-portal.com/city/scmblog/archives/8296
参考文献
小さな生き物たちの大いなる新技術 今泉忠明 ベスト新書