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【読書感想文】罪の声/塩田武士


久しぶりに甥と姪に長い時間会えた。
姪はいつのまにか人見知りをするようになっていて、直接会うといつも慣れるまでに時間がかかる。その分慣れてきた時に見せてくれる笑顔も、顔全体で食べたんか?ってくらい食べ物で汚れた顔も、わがままをきいてもらえなくて泣く顔ですらかわいい。

一方で甥と姪と長い時間過ごして、もう赤ちゃん扱いして何かを誤魔化すことはできないと感じた。相手の言葉や気持ちを理解しているし、裏を描かずに感じ取ったことを素直に受け取り、反応する。見栄も外聞も関係なく、素直に純粋に丸出しの心と瞳を向けられるようだった。

そんな子供を犯罪に使い巻き込む事件を描いたこの小説を読んだのが、甥と姪に会ってすぐでよかった。目の前にないもののことは、すぐ心から外に出してしまう癖があるから。自分が大切にしたいもののを、どんなふうに大切にしたいか考える機会を生んだ小説だった。

ストーリーとしても、実際に起きた未解決事件を題材に描かれており、常にどうしてが付き纏う面白さだった。

是非、元気な精神状態の時に読んでみて欲しい。

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