<Vol.56>「あなたの疲れは1週間で戻りますよ」の呪い
あるいは少し、いじわるな質問だったのかもしれません…。
先日、ふらりと立ち寄ったとあるリラクゼーションサロンでの出来事です。
僕を担当してくれたセラピストさん(男性)が、施術後に怒涛の営業トークをしかけてきました。
「Tomyさん、今日はだいぶお疲れだったようですよ」「〜で、○で、△だから(…あまり覚えていない。。)きっと1週間くらいで元に戻っちゃうと思います」「…また来週もいかがですか?」
施術後でちょっとぼ〜っともしていたし、言葉数も多かったので(しかもかなり早口だったので)提案の言葉をうまく聞き取れませんでした。
それになにより…
施術が全然上手ではなかったので、ちょっとフラストレーションも溜まっていました。
僕が黙っていると、
「Tomyさん、来週いかがですか?予約取っておきましょうか?」
と、重ね重ねで追い打ちをかけてきました。
《なぜなんだろう?なぜこのセラピストさんはこんなにも僕にまた来てほしいのか。それは店の利益獲得のためか、僕の健康のためか?》
そんな疑問があったので、ついこんな質問をしてみてしまいました。
ぼ)「すみません、どうして僕はまた来週も来なければならないんでしょうか?」
セ)「Tomyさんの体だと、1週間くらいで疲れが元に戻っちゃうからですよ」
ぼ)「どうしてそんなことがわかるんですか?」
セ)「それは…」
ぼ)「ストレッチも運動も毎日しているし、今日だって別に疲れが溜まりに溜まったから来たわけじゃないです。ちょっと時間ができたから寄ってみただけなんですが…」
セ)「あぁ、そうだったんですね。それは失礼しました。じゃあもういいです」
…じゃあもういいです。。?
なんて残念な言葉を使う人なんだろう…と。
このやり取りの中で、本質的な問題点がわかるでしょうか。
結局このセラピストさんは、施術中にずっと黙って手技をしているものだから、60分間を経ても”僕”のことが何もわかっていません(知ろうとすらしていません)。
…にもかかわらず、定番の営業トークをぶつけてきています。
僕がこの店に来た来店動機と、セラピストさんが伝えたい提案内容とがことごとく行き違ってしまっているので、不信感しか与えていないわけです。
きっとこのセラピストさんは、来店するお客様全員に同じようなことを伝えているのでしょう。
仕事、楽しいのかな…?
なんだか怒りすらも感じず、かわいそうだなぁ…と同情する気持ちになってしまいました。。
<次回提案を支えるもの>
これを読んでいるセラピストの皆さんは、上記のようなやり取りをしていないでしょうか(きっとこれを読んでいるくらいだから大丈夫だろうとは思いますが)。
施術において、次回の提案をすることは悪いことではありません。
むしろ施術は単発ではなく連続で受けて初めて効果が上がってくるものなので、継続性は重要です。
ただしそこには”お客様のために”という概念が入っていなければなりません。
よく聞く言葉に
「あなたの疲れは○日くらいで元に戻ります。だからまた○日後にいかがですか?」
というものがあります。
僕はこの言葉を聞くたびに違和感を感じます。
どうしてそんなことがわかるんだろう?何を根拠に○日などと言うのだろう…?と。
疲れが戻るなんてことは誰にもわからないし、そもそも先週と今週とでは過ごし方も違い、疲労の感じ方すらも変わるかもしれません。
さらに言えば、セラピストは医師ではないので、こういった断定表現を使うこと自体があまりよろしくない傾向にあります。
ではどういった提案をすればいいのかを考えてみましょう。
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