<Vol.58>"ほぐさない"というほぐし方
先日、なかなか"斬新な"施術を受けてきました。
いろいろな気付きがあったので(備忘録としても)書き残しておきたいと思います。
<”ほぐさない”というほぐし方>
その手技はジャンルで言うと「タッチセラピー」に含まれるのでしょうか。
ゆっくりとしたリズムで『触る・撫でる・流す』ことがメインで、受け手はセラピストの手の温かみを感じながら、リラックスした時間を過ごす…というものです。
筋肉を"もみほぐす"という行為ではないものの、施術後は体がフワッと軽くなる印象がありました。
これは非常に面白いな、と。
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リラクゼーションテクニックの中に「自律訓練法」というものがあります。
これは高齢者や怪我明けの人(リハビリ過程の人)が主に活用するテクニックで、
「特定の筋群において、温かさ・重さの感覚に焦点を当てる方法」
です。
要するに、目をつぶって人の手の温かみや重さに意識を集中させることによって、心が落ち着き、呼吸が整い、深いリラックス効果を得ることができるというものです。
今回経験した手技というのは、まさにコレそのものでした。
キーワードとなるのは『自律神経』です。
<自律神経へのアプローチ>
自律神経という器官は、心身を自動でコントロールしてくれる機能です。
心臓の動きも、呼吸の流れも、体温の調節も、すべて自律神経によって行われています。
そして、この中には「筋肉の収縮」も含まれています。
自律神経内の”交感神経”が優位に働けば、筋肉は収縮傾向(カチコチに硬く)になり、
”副交感神経”が優位に働ければ、弛緩傾向(ふわっと柔らかく)になります。
…となれば。
どんなにセラピストが一生懸命に揉みほぐしを行ったとしても、交感神経が優位だとなかなか筋肉はほぐれてくれません。
強い圧をかけたり、速いリズムで行ったりすればなおさらです。
筋肉を緩めるためには「いかに受け手をリラックスさせ、副交感神経を優位な状態に導けるか」が重要な視点となります。
◎ゆっくりとした柔らかいリズム
◎触る、撫でる、流す(強い圧はかけない=体に防御反応を起こさせない)
◎深い呼吸
これらの要素を含む「タッチセラピー」という施術法は、とても的を射た手技なんだなぁと感じました。
「揉みほぐしをしていないのに体が軽くなる」
これほど本質的なリラクゼーションテクニックは他にあるでしょうか。
世界は広く、学ぶべきことはたくさんあります。
さて、今日もしっかり学び続けます。
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