<Vol.29>「ご満足いただけなければ全額返金いたします」の品質保証サービスから学ぶこと(サロンでの活用例)
とあるスキー場のお話です。
ゲレンデにあるレストランの人気メニューは「カレーライス」。
毎シーズン10万食も販売されるそうです。
実際のところ、ゲレンデは常に季節客が流入してくるので、そこまでクオリティにこだわらなくても(ある程度の)売上が見込めます。
また利用客自身も「すぐに温かいものを食べられること」が最優先事項であり、そこまで美味しさを求めているわけではないでしょう。
しかし、このスキー場では【美味しさ保証】を追求しています。
そしてなんと「一口食べて美味しくない」と感じた場合には
『いかなる理由であっても必ず返金に応じる』
という品質保証サービスを実施しているそうです。
ここから学ぶべきことはとても大きいので、ちょっと考えてみたいと思います。
<品質保証のメリット>
『いかなる理由でも返金します』と掲げるのは、実に勇気がいることです。
「不正な返金が相次ぐのでは?」「クレーム対応に追われるのでは?」「美味しくても難癖をつけて返金要求されるのでは?」
そんな不安も湧いてくるかもしれません。
しかしながら、このゲレンデにおける返金対応ケースは1シーズンにつき「約10件(10万食のうち)」。
確率にしたら0.0001%であり、1万人に1人の割合です。
「日本人って素直でステキだなぁ…」
そう思う気持ちもありますが、今回の話の根幹はそこではありません。
「返金をしてくれ」という要求があった際に生まれるやりとりにこそ、重要なポイントが含まれています。
「何がご不満でしたか?」
「ルーはいいけど、ご飯がベトベトなんですよ」
「申し訳ありません。お取替えしますか?返金になさいますか?」
「返金してください」
「かしこまりました。申し訳ございません」
→なぜご飯がこんなにベトベトなんだろう?水の入れ方が悪かったのか、設備の問題か。
→あぁ、炊飯器がだいぶ老朽化しているんだな。新しいものを発注しよう。
ここまでの思考が一連の流れになっています。
すぐに改善を行うことでサービスはより磨かれ、その後同様のクレームは消失します。
したがって実施期間が長くなればなるほど、返金対応は少なくなります。
また不満をその場で解消できるというのは、ネット上にネガティブな情報を書かれないということにもつながります。
このご時世、SNSによる拡散力は凄まじいです。
不満を持ったお客様が写真付きでネットに投稿しようものなら、その情報は未来永劫残り続け、潜在的な新規客を食い潰すことにもつながってしまいます。
そのリスクを未然に防げるのであれば、返金対応の1件や2件は可愛いものなんですね。
<サロンでの活用>
これはリラクゼーションサロンでも活用できる仕組みだと思います。
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