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あれもこれも、食べる。

港まちづくり協議会では、大きな道路添いの花壇で街の人たちとハーブガーデンを作っている。7月、市橋さん宅へ伺うときは通り道のガーデンでローズマリーを摘んで、定番料理を教わりながら、追加メニューとしてじゃがいものにんにくローズマリーソテーを作った。

次の石田さんちへは、アップルミントと、チェリーセージを摘んで行った。古橋くんが持ってきた桃にヨーグルトとミントをのせて美味しいデザートになった。ビニちゃんちでは、ミントでノンアルコールモヒートを作った。

ビニちゃんちへ行きすがら、児玉さんが『あっ!』と横断歩道ちかくの街路樹へ駆けていった。「え~、やっと会えました!」と話しかける男性は、街路樹など土があるところに枝豆やスイカを植えている人だった。私も会話の後ろから覗くと、小ぶりの西瓜が見える。「もう、そろそろ食べれるなぁと思ってると、だれか持ってっちゃうんだよ。」と笑う。「オレ、駅前のほうにも植えてんだ。」

なに、この人!かっけー。

農家出身の父の同僚が、町中の事務所の花壇に「土を遊ばせるなんて、もったいない。」とモロヘイヤとトマトを植えていたのと同じではないか?彼はもっとゲリラ的(美味しいバイオテロ?!)だけども、そういう目で地面を見てるの、すごいと思った。

8月7日に訪ねたうどん屋「釜半」の恭子さんは、天ぷらが大好きで大得意。自宅のバルコニーで育てているハーブを天ぷらにしてくださるというので楽しみにでかけた。途中の街路樹にさるすべりの花が咲いていたのを摘んでリトルブーツに活けることにした。釜半さんに着くと、店先に元気な植物が植っていて白い花をつけている。よく見ると赤い実もある。顔を近づけるとジャスミンのいい香り。店内に入るとひとしきり、ジャスミンのお話をして、種から育てた苗をいただくことになった。

恭子:なんでもね、食べれるものはね。揚げちゃう。 道端歩いてください。食べれるものいっぱいあるような気がします~!〈一同、爆笑〉
恭子:あの、スベリフって知ってます?雑草で。
本原:スベリフ?ヒ?
恭子:ヒュ、じゃなかった?
本原:ヒュ?超しゃべりにくい〜(笑)
恭子:あれもお浸しで食べれる。あっちこっちにボリュームがあるやつありますし。
ご主人:僕の友達のおうちにドクダミがいっぱい生えてて…。
古橋:あ、うちの庭いっぱいあるある。
恭子:ドクダミ食べたことあります?
古橋:ベトナムでは、パセリみたいな感じでちょっとつまんで食べるんです。
本原:え、生でいくってこと?
恭子:生でも食べれるし、今日あとでハーブティーの中にドクダミ入れてますので。
本原:え、すご~~いね~。
古橋:うちの庭ドクダミだらけ。ドクダミは、おもしろいですよね。
恭子:それは、飲むなり、乾燥するなり、とっといてください。だって体にすごくいいですから。生でハーブティーとして飲んでもまったく違和感ないです。
本原:うどん屋さんだよねえ?〈一同、笑い〉
古橋:うどんの話全然出てこない。
恭子:ハハハ〜(笑)。そっかうどん屋だった。
恭子:食べることが大好きなの!

そうして、スベリヒユのことを調べたら、すごいことがわかった。食べると美味しいだけでなく、抗菌、解毒作用もある。蚊に刺されたらスベリヒユを千切って、葉や茎から出でくる粘度のある液体を塗ると、痒みが止まり、ブヨなどに刺されても炎症を抑えるのだそう。私は蚊に刺されやすい。スベリヒユの生息場所は要チェックだわ!とよく見たら、庭の草取りでめっちゃ抜いてたヤツだった。

自然と交わるには、田舎へ行かなきゃと考える人も多い。ここから自然、こっちはひとが住むところって線を引いてる。登呂遺跡で、家を建てたい!と「ひとつ屋根に暮らす」プロジェクトを始めたとき、柱にする木はどこから持ってきたんだろう?と建築家の伊達さんと話した。安倍川の上流で切って川に流したのかな?なんて想像した。しかし、登呂の住居跡から数十メートルもないすぐそこが森林跡だった。人間は暮らせるところをどんどん切り拓いて作ってきたけど、土があれば植物は都会でもしっかりと根付いていく。

釜半_cheers

恭子さんの美味しい料理と、ご主人の選んだワインとご主人選曲のシャンソン

釜半_スイカ

どこにあっても、食べ物はさりげなく狙われている。

釜半_天ぷら620

恭子さんは、なんでも揚げる。古橋くん持参のゴーヤの蔓も揚げた。

釜半_ジャスミン

店先のジャスミンから落ちた種で恭子さんが育てた。小さな苗をもらって帰った。

釜半_boots

釜半さんへは、街路樹のさるすべりの花を摘んで行った。
【写真:村上将城】

◎お知らせ◎
港まちづくり協議会のサイトにこれまでのアーカイブを閲覧できる特設サイトができました。
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これまで伺ったお宅での定番ごはんのメニューなどをまとめたグラフィックや、会場で配布しているA5のチラシをダウンロードできます。
【Webサイトデザイン:大西未来、倉田果奈(港まちづくり協議会)】
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開場時間は、9月30日まで11:00〜17:00までです。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

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