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パートナー先への常駐時にやるべきこと

皆さんこんばんは。
パートナーセールスの葛西です。

パートナー企業様に自社プロダクトを拡販していただくための手段として、「パートナー先での常駐」という手段を取られているパートナーセールスの方も多いのではないでしょうか…?

今回はパートナー先へ常駐する意義・メリット、常駐という手段を取っているSaaSベンダーがどれくらいあるのか、常駐時にやるべきことについて書かせていただきます。


パートナー先に常駐する意義・メリット

パートナー先に常駐する意義・メリットとして、一言でまとめて言ってしまうのであれば、「パートナー企業側の営業担当の方々との距離がかなり縮まる」というところに尽きるかと思います(とても当たり前のお話ではありますが)。これは直販のセールスでもそうですが、結局は「人対人」の要素が大きいので、その人との距離が近づくほど有利です。

特にパートナービジネスにおいては、直販とは違い、パートナー先の営業担当の皆さんに自社のプロダクトを販売してきてもらう、つまりは言葉を選ばずにわかりやすさ重視で言ってしまうと、「赤の他人に、そのパートナーが保有するプロダクト以外のプロダクトを売ってきてもらう」わけです。
※私のパートナー企業の皆様を決して赤の他人だと思っているというわけではございませんので、そこは誤解のなきようお願い致します。

常駐することでパートナーの営業担当の痛いところ・痒いところ(要は抱えている課題など)をより解像度高く理解できたり、組織内でのパワーバランスの理解が深まる(例:誰が巻き込み力が強いマネージャーか、誰がトップセールスか、等)、お気軽に相談できる関係性が醸成できる、などのメリットが生まれ、赤の他人という関係から少しずつ距離が縮まっていきます。そうなると自分自身と自社プロダクトの認知度が上がる、それがパートナーさんに拡販していただけることにつながっていくと言っても過言ではないかと思います。
※かなり定性的なお話にはなってしまいますが、まずは知っていただけないことには始まらない。

総じてまとめると、

  • パートナーの営業担当とのコミュニケーションが直接取れる

  • パートナーの営業担当の方とのコミュニケーション総量が増やせる

  • パートナーの営業担当の方が抱えている課題が解像度高く理解できる

  • 組織内でのパワーバランスの理解度が深まる

  • 故にパートナーの営業担当との距離感が縮まる→自身と自社プロダクトの認知度が上がる

といった効果が見込め、パートナーさんからの協力が得やすい状態を醸成することができるため、常駐するということは非常に意義の高い施策となりやすいのです。

パートナー先へ常駐しているSaaSベンダーの割合

私自身、30〜40社程のパートナーセールスの方々と情報交換をさせていただきましたが、そのうちパートナー先へ常駐していないというパートナーセールスの方はかなり少なく、私が情報交換させていただいた中ですと、おおよそ8.5割くらいのSaaSベンダーさんは「パートナー先への常駐」という施策を実行しておりました。
残りの1.5割については、なぜ常駐という施策を実施してないかという理由については、「まだパートナープログラムを立ち上げてばかり」「パートナーセールスのリソース不足(1名しかいない)」という理由が大半でした。

約8.5割のSaaSベンダーさんが実施していることもあり、「パートナー先への常駐」という施策は有効的な施策ではあるということが伺えますが、その一方で、実際にパートナーセールスの方の中には、「常駐しているものの案件数・受注数が伸びない」「常駐してもパートナー企業の営業担当が相談に来ない」「常駐して何をしたらいいのかわからない」というようなお悩み・課題を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここからはパートナー先に常駐する際にやるべきことについて、私がやっていることをまとめさせていただきます。

パートナー先への常駐時にやるべきこと

まず大前提、常駐時にパートナー側の営業担当から話しかけられるまで「受け身で待つ」というのは絶対にNGです。その姿勢では常駐する意味が全くありません。まずは前提として、積極的に自分から話しかけに行きましょう。
※私自身、実はかなり人見知りなのですが、受け身で待たず積極的に話しかけに行っています。

ここから、私がパートナー様先へ常駐させていただいている時にやっていることをまとめさせていただきます。

1. 決裁者を見つけたら必ず話しかける

社長や役員、事業部長など決裁者の方を見つけた際には、話しかけても良さそうなタイミングを見計って、すぐに話しかけるように徹底しています。話している内容としては、ライトなお話だと「今日もお邪魔させていただいてますー」というようなお話、「プレスリリースなどを事前に見ておいて●●のリリース見ましたー」というようなお話(プレスリリース見た=よく自社のことを見てくれていると好印象に映ります)、深いお話だと「事業全体を俯瞰してみて、●●をやってみてはどうでしょうか?」というような課題解決のご提案などもさせていただいています。
いきなり最初から深いお話をするのは難易度が高いかと思いますので、まずは決裁者の方に「名前を覚えてもらう」ということを徹底しています。

2. 案件を作ってくれた人への感謝を直接伝える

案件を作ってくれた人(要は、自社のプロダクトの商談をしてくれた方、お客様をご紹介いただけた方)には必ず直接お礼をお伝えするようにしています。たくさんある商材の中から、自社のプロダクトを提案いただけているのですから、それは直接感謝をお伝えするのが最低限の礼儀かと私は考えています。丁寧にお礼を言ってくれる担当者とあまりお礼を言ってくれない担当者、みなさんでしたらどちらに惹かれますか?

加えて、案件を作ってくれる人=自社のプロダクトのファンになってくれる可能性の高い方です。ですので、要フォローすべき方かと思いますので、優先的にアプローチするようにしています。

3. 提案可否の問い合わせをいただいた方への提案進捗の確認

パートナーセールスをやっていると、パートナーの営業担当の方から「この企業へ提案したいんですけど、提案可否の確認をいただけますか?(契約があるかの確認)」というような質問をいただくことって結構あるのではないでしょうか…?
誰が提案可否の問い合わせをしたのか、どの企業様に関する問い合わせをしたのかを可視化しておくことで、提案可否の確認をいただいた企業様への提案状況を伺い、その顧客へのアプローチ方法に関するアドバイスを行うようにしています。

4. 提案可否の問い合わせ件数が多い人へのアプローチ

上記3.にも付随しますが、提案可否を確認してくれる=自社プロダクトを提案しようとしてくれているという印です。そのため、提案可否の問い合わせをたくさんしてくれる方に優先的にコミュニケーションを取り、提案にあたってのハードルやボトルネックを少しでも解消できるように努めております。

5.メインのカウンターパートの方(企画部門等の方含む)や拡販推進担当者、トップセールスへのアプローチ

普段、自社プロダクトのカウンターパートとなっていただいている担当者様や、自社プロダクトの拡販推進担当を置いていただけている場合はその方・置いていただけてない場合は拡販推進いただけそうなチャンピオン(例:巻き込み力強めのマネージャー等)、加えてトップセールスが誰かもわかっている時はトップセールスへも必ずお話するようにしています。

メインのカウンターパートの方とは主に現状の提案候補先のピックアップや案件進捗状況の共有、社内の組織に関する情報などお話をする(お話を伺う)ようにしています。なので、常駐させていただいているパートナー様の場合は、常駐時にコミュニケーションをこまめに取るため、一部定例ミーティングをわざわざ設けていないパートナー様もいらっしゃいます。

6. 自社のプロダクトの拡販のみに限らず、パートナーさんが抱えている課題を解決しまくる

これは最も意識していることです。上述の「パートナー先に常駐する意義・メリット」にも書かせていただいたように、「赤の他人に、そのパートナーが保有するプロダクト以外のプロダクトを売ってきてもらう」わけなので、自社の社員を動かす以上にかなり難易度が高いです。ですので、パートナーの決裁者はもちろん、営業担当の方々、拡販推進者(チャンピオン)やトップセールスの方、企画部門の方など、関わる皆様からの絶大な信頼を得られなくてはそもそもご協力いただけることはありません。自身の追うミッションは「自社プロダクトの拡販」というところではありますが、そういった目の前の自身のメリットは二の次に、まずは強固な信頼関係を築くことに重きを置いています。

ですので、まずはパートナーの皆さんが困っていること(課題)を常にキャッチし、時には課題の優先順位を整理したり、時には営業メンバーの皆さんと1on1をして課題に対する何かしらの解決手段をご提供したりと、とにかくそのパートナーさんの事業が伸びる・営業担当の方の実績が上がるようなソリューションを提供しまくることを特に意識してやっています。
Give&Takeじゃないんです。Giveしまくらないと信頼はつかめませんので、まずはそこが最初のファーストステップであり、そのパートナーさんにとっての「課題解決屋さん」になることが最初のゴールかと思います。
※なので、いっそのこと、「パートナーさんの課題を解決した数」とかをKPIに置きたいくらいです(少し定性的にはなってしまいますが)。

まとめ

一部、優先順位を付けるというようなお話もありますが、基本的には時間が許す限り、1人でも多くのパートナーの方々とコミュニケーションを取るようにするべきです。また、常駐している時は自分の仕事を行うことは一旦やめて、少しでも多くのパートナー先の営業や決裁者などとコミュニケーションを取る、課題を解決することに時間を費やすべきです。

パートナービジネスは成果に繋がるまでの時間が長く、大変長く険しい道のりであるため焦る気持ちもわかりますし、焦るとどうしても自社プロダクトの拡販に関する自分よがりなお話、提案が多くなってしまいます。ただ、まずは「絶大な信頼関係を構築する」ことが最も重要ですので、まずは自社プロダクトに関するもの以外も含めて、パートナーさんの目の前の課題を1つでも多く解決してあげることに注力することをお勧めします。

そして、このnoteを書きながら、私も自社プロダクトの拡販に関する自分よがりな話ばかりにならないよう、肝に銘じながらパートナーセールスの業務に邁進していきたいと考えています。

最後に、これはあくまで私なりの、常駐時の1つのやり方です。他にも常駐時にこんな取り組みしてるよーというような、パートナーセールスの皆様の様々な取り組みやノウハウがあるかと思ってます!
常駐時にこんなことやってるよーというのがありましたら、是非コメントやメッセンジャー・X(Twitter)でのDMなどいただけたら嬉しいです!

それではまた次回の更新をお楽しみに!


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