小湊バスの減便が著しい
はじめに
先日小湊鉄道バスのダイヤ改正が4回に分けて発表された。改正日は第1弾が2024年3月16日(鎌取駅発着便)、第2弾が2024年3月18日(外房、大滝エリア)、第3弾が2024年4月1日(内房エリア)、第4弾が2024年4月8日(千葉地区・内房エリア)である。とにかく超絶減便となっており、今回急遽千葉駅を発着する便に限りであるが本数の変化をまとめてみた。
千葉駅を発着する小湊バスの路線
千葉駅を発着する路線は以下のとおりである。
3番バス停
・鎌取駅(末広町経由)
・明徳学園(末広町経由)
・千葉県がんセンター(末広町経由)
・イオンタウンおゆみ野(末広町経由)
4番バス停
・浜野/浜野駅東口
・白子中里/白子車庫(白子特急:高速バス)
・喜多
5番バス停
・大巌寺
・ハーバーシティ蘇我(1年に1回のみ)
12番バス停
・蘇我駅東口(矢作経由)*千葉中央バスと共同運行
この中で特殊なのは2つ。ハーバーシティ蘇我行きは1月1日のみの運転、白子中里、白子車庫行きは高速バスである。これらのバスの2024年4月改正前後の本数変化を見てみよう。
恐ろしい減便である。平日も減便がすさまじく、千葉中央バスとの共同運行となっている蘇我駅東口行きを除くと1日97本あったバスが55本へと44%も減ってしまっているのである。土休日に至っては70本がわずかに8本。残っているのは高速バスである白子中里行きと浜野駅行きだけというありさまだ。純粋に路線バスとみれば68本が6本であるからなんと91%減である。
細かく見ると
全体でみてもそのような状態であるが、恐ろしいのはイオンタウンおゆみ野行き。平日26本、土休日19本と決して多くはないが30分~60分に1本のバスが設定されていたものがいきなり17:23発の1本だけという状況。もはや使うなと言っているレベルの本数になってしまっている。この減り方ほどではないが、浜野駅東口行きや大巌寺行きもかなりの減だ。
実際のところ、鎌取駅、明徳学園、千葉県がんセンター、大巌寺は蘇我駅からということを考えている節もある。イオンタウンおゆみ野はおゆみ野駅から徒歩圏内であるし、浜野駅行きについても基本的には内房線の並行路線の位置づけである。
ただ、これらは起終点だけで使用する場合の話であり、途中のバス停利用者については基本的に考慮されていない。他社路線も含め比較的本数の多い千葉駅~蘇我駅間は別としてもよさそうではあるが、それ以外はほぼ路線消滅に近い状態である。
全体でみれば、京成千原線もあり駅が比較的多いエリアであるのでそこまで徒歩なり自転車なりで出ることができればバスを利用しなくても何とかなるという目論見もあるかもしれない。
個人的に気になった路線
その中でやはり気になるのが浜野駅東口行きの大幅減便だ。
本路線はもともと内房線と延々並走し、姉崎(別荘下)まで至る長大路線であった。比較的最近までそれなりの本数が姉崎まで運転されており、本数もかなり多い部類であった。それが八幡宿で分断され、千葉~浜野~八幡宿、八幡宿~五井~姉ヶ崎駅~姉崎という形に再編(それぞれ区間便あり)されたが、今改正でついに浜野~八幡宿間が運行休止となってしまい、内房線並走路線が分断されてしまった。
歴史ある路線なのだから残そうというようなことをいうつもりはないが、これも一つの時代の流れなのだと思うと少し寂しく感じる。
一体何があったのか?
小湊鉄道のリリースでは慢性的なバス運転手の不足と2024年4月の「自動車運転者の労働時間等の基準の改正」によるものという記載がある。バス運転手の不足も労働基準の改正も他社でも同様のはずであるが、とにかく小湊鉄道バスの減便が目立つ。
このことからすると、小湊鉄道は相当慢性的な人員不足に陥っていることは間違いなく、そのまま減便せざるを得なくなったということであろう。
バスの運賃は最近値上げがあったもののそれまでは大きな値上げはなく、比較的低廉な運賃に抑えられている。というのも競合が鉄道となると、その鉄道との価格差が大きくなると鉄道に逃げられてしまうということがあるのではなかろうか。
中長期的にみれば、バスの運賃はもっと上げていかざるを得ないと考える。
終わりに
今回は小湊バスをクローズアップしてみたが、他社も本数減は避けられておらず実際に本数が減っている路線も結構な数ある。今は千葉駅のような拠点駅から直接目的地を結ぶような形で路線が構成されているが、今後は副拠点のような場所を設けてそこまでは幹線バス、そこでフィーダーバスに乗り換えるといった形を考えていく必要があるのではないだろうか。
モノレールの活用も一つの手であり、県庁周辺にバスロータリーを設け、積極的に乗り換えを推奨するなど。道路の容量不足解消にも一役買うこともでき可能性はあるのではないだろうか。
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