減量の為のトレーニングと栄養(論文を元に)
減量(体脂肪を減らしながら筋肉量を維持する)には、適切なトレーニング、カロリー管理、栄養バランスが重要です。以下に、科学的根拠に基づいた戦略を詳しく説明します。
トレーニング戦略
減量中でも筋肉量を維持するため、トレーニングの強度を維持しつつ、有酸素運動を取り入れることが重要です。
1. レジスタンストレーニング(筋トレ)
• 強度維持が最優先:
• 減量中は筋肉の分解リスクが高まるため、重い負荷(1RMの70〜85%)でのトレーニングを継続することが重要です。
• 6〜12回の反復を2〜4セット行い、1週間に全身を最低1〜2回鍛える。
• 優先種目:
• コンパウンド種目(スクワット、デッドリフト、ベンチプレス)を中心に。
• アイソレーション種目(アームカールなど)は補助的に。
2. 有酸素運動
• 頻度と種類:
• 週2〜4回、1回30〜45分程度の中強度(心拍数が最大心拍数の60〜70%)。
• 例: ジョギング、サイクリング、スイミング。
• タイミング:
• 筋トレ後に行うか、筋トレとは別の日に行うとエネルギー効率が良い。
• 高強度インターバルトレーニング(HIIT):
• 週1〜2回、20分程度。
• 例: 30秒全力で走り、90秒ゆっくり歩く。
3. トレーニング全体の注意点
• 減量期は回復能力が低下しやすいため、オーバートレーニングを避け、休息日を確保する。
• セット間の休息は60〜90秒が目安。
栄養戦略
減量の成功には、適切なカロリー赤字を作りながらも、必要な栄養素を十分に摂取することが重要です。
1. カロリー収支
• 摂取カロリーの設定:
• 1日あたりのカロリー摂取量を「維持カロリー」から500 kcalほど減らす。
• 例: 維持カロリーが2,500 kcalなら、2,000 kcalに設定。
• 目安:
• 体重1kgあたり 25〜30 kcal を基準に調整。
2. 栄養素バランス
• たんぱく質: 減量中の筋肉維持に最重要。
• 体重1kgあたり 1.6〜2.2g(例: 70kgなら112〜154g/日)。
• 食材例: 鶏むね肉、魚、卵、ギリシャヨーグルト、プロテイン。
• 炭水化物: エネルギー補給のために適量を摂取。
• 体重1kgあたり 3〜5g(例: 70kgなら210〜350g/日)。
• 食材例: 玄米、さつまいも、オートミール。
• タイミング: トレーニング前後に炭水化物を集中させる「カーボサイクリング」を検討。
• 脂質: ホルモンバランス維持のために重要。
• 全体カロリーの20〜25%程度(例: 2,000 kcalなら45〜55g)。
• 食材例: ナッツ、アボカド、魚油、オリーブオイル。
3. 食事のタイミング
• トレーニング前:
• 炭水化物+たんぱく質(例: バナナ+プロテインシェイク)。
• トレーニング後:
• 高たんぱく+中炭水化物の食事(例: 白米+魚+野菜)。
• 就寝前:
• ゆっくり吸収されるたんぱく質(例: カゼイン入りプロテイン、カッテージチーズ)。
4. 水分補給
• 減量中は脱水が起こりやすいため、1日2〜3Lの水分を摂取。
• 運動中は電解質を含む飲料を活用。
追加のポイント
1. 減量速度:
• 体重の0.5〜1%/週(例: 70kgなら0.35〜0.7kg)を目安に減らすと、筋肉量の維持がしやすい。
2. 再フィード(Refeed):
• 減量が停滞した場合、週1回、炭水化物摂取量を増やす日を設けると代謝を維持しやすい。
3. チートデイ:
• 心理的ストレスを軽減するために取り入れる場合は、1日だけ適度にカロリーを増やす。
推奨サプリメント
1. ホエイプロテイン: たんぱく質補給。
2. BCAA/EAA: 筋分解を抑える。
3. クレアチン: 筋力維持に有効。
4. カフェイン: 脂肪燃焼効果と集中力向上。
5. オメガ3脂肪酸: 炎症軽減と代謝改善。
参考文献
• Helms, E. R., et al. (2014). Evidence-based recommendations for natural bodybuilding contest preparation: nutrition and supplementation. Journal of the International Society of Sports Nutrition.
• Schoenfeld, B. J., & Aragon, A. A. (2018). How much protein can the body use in a single meal for muscle-building? Implications for daily protein distribution. Journal of the International Society of Sports Nutrition.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?