HUNTER×HUNTER考察 念獣考察一覧(改)蟻編まで

はじめに

まず前提として、念を自身から切り離すのには、放出系としてオーラを切り離すことと、具現化系によってオーラを念で物質化したのちに維持をしたり(具現化系)動いたり(操作系)する念を「込める」ことよるものの二種類あること。
また、ヒソカの言うメモリとは脳の容量(メモリ)であり、苦手分野はそうとう意識しなければ念を使えないが、高いレベルのものでなければ可能(例えば放出系でも簡単なイメージの具現化は修行によって可能)であること。
具現化系・操作系は念を「込める」ことが得意であることから、自動型(あらかじめ動きを念でプログラムすること)に長けており、操作系とそれに近い放出系は遠隔操作(思念による操作)に長けていること。
以上の三点を踏まえた上で、キメラアント編までの念獣を改めて考察していこうと思う。

分身(ダブル)
具現化系・操作系の複合能力。
具現化系によってイメージを具現化し、さらに維持する念を込めている(維持する念に使われたオーラは、念が解除されると術者に戻る)。
加えて、思念による遠隔操作が用いられている。これは操作系の念であり、制約(条件)と誓約(リスク)によって動かしているものと思われる。すなわち、自分の意思で動かすという制約に対し、何らかの理由で意識が途切れた場合は、念を維持できずオーラを回収することはできないというリスクである。
二つの系統の高等技術、細かいイメージの具現化と遠隔による細かい操作を可能としたのは、まだしも強化系がバランスの良い系統であり、双方の習得率も60%はあったからだと思われる。放出系や変化系であれば、どちらかの習得率が40%となり、習得は困難であっただろう。
努力すれば可能であった能力。その点で、強化系であることが災いした事例だともいえる。
加えて、苦手な分野の高等技術であることから、他の能力を使用することができないほどそこに意識を向ける必要があり、結果、メモリの無駄使いとなってしまった。
自分が二人いれば最強であると考えたのか、はたまたヒソカに近寄ることに恐怖したのか、どちらにせよ自系統に合わない能力は失敗であるという良い例である。

縁の下の11人(イレブンブラックチルドレン)
放出系・操作系の複合能力。
黒子の形をした風船にオーラを注ぎ込んで操作する、珍しく具現化系を使用しない念獣。
風船を使い具現化系能力を使わない分メモリ消費は極めて低いものの、放出系としては苦手な念を込める自動型を使っているため、操作は稚拙。
人間大のオーラの塊をいくつも切り離して操作できるのは流石放出系といったところだが、その分操作できる範囲が短い。
思念による遠隔操作でなかったのは、オーラを回収できないリスクを嫌ったためか、はたまた自分への自信のなさの現れか。
それでいて先輩とか強調していたあたり、部下が欲しいけど能力が低いから部下を持たせてもらえずいつも下っ端だった、とかそんな感じかもしれない。

密室遊魚(インドアフィッシュ)
具現化系・操作系の複合能力。
密室内で肉食性の念魚を具現化する。
食べて消化された分はデメちゃんのようにどっか(念空間)にいくことから、おそらくはそうした能力であると考えられる。
消化しきれなかった分は、念魚が消えると同時に出現する。
具現化系能力者は念を込めることが得意であり、思念による遠隔操作は苦手だとみられるため、自動型だと思われる。
締め切った部屋でのみ生息できるという制約から、部屋の中では念魚を破壊できない可能性が高い。
無害ではないので、破壊不可能の無敵型というわけではなく、おそらくは破壊したとしても部屋の中でなら再生できる、といった類の能力ではないかと推測される。

アベンガネの念獣
具現化系・操作系の複合能力。
他者にかけられた念を食べる念獣であり、食べた後は念が消えるまで術者にまとわりつく。
相互協力ではないことから、具現化系の徴収型というべきだろうか。
拡散・徴収は放出系の得意とするところであり、相反する系統の具現化系には難しいと思われる。
そのため、森の精霊への儀式(制約)が必要とされるのかもしれない。
森の生物限定というのも、意思の薄い(抵抗力の少ない)生物の方が、オーラを徴収しやすいということがあるのかもしれない。
おそらくかけられた能力が強力なほど、徴収する生物の数が多くなるものとみられる。

蝿の仕事(サイレントワーカー)
具現化系・操作系の複合能力。
おそらくは条件(制約)を満たしたものに具現化した蝿を取り付け、同じく具現化したレーダーでその位置を探る能力だと思われる。
具現化した蝿は取り付けた時点で相手のオーラを使用して具現化される充電型になるのではないだろうか。
ポットクリンのレーダー特化だと考えればそこまで難しい能力ではないように思われる。
もしくは、時間限定での維持の念を込める念獣の可能性もあるが、蝿という小さなものにたいしてそれほど長く維持できる念を込められるかというと、難しい気がする。

14人の悪魔
放出系・具現化系・操作系の複合能力。
確証はないが、バレーがベンチ入りできる選手含め最大14人だからか?
合体することで数字が大きくなるため、一度に出せるのは最大8体までなのかもしれない(ナンバー0を除くと、7+6で13だから)。
具現化系として造形は簡易的であるため、それほどメモリは必要としていないとみられる。
また、それぞれ合体させることができるということから、縁の下の11人(イレブンブラックチルドレン)のように、具現化した風船のようなものにそれぞれ大きさの異なるオーラを込めているようなものかもしれない。
これであれば、合体してパワーを増すことにも整合性が出るだろう。
そのため、具現化系・操作系だけではなく、放出系も使用しているものと思われる。
人間大のオーラの塊なので、操作範囲は狭いだろう。
ナンバーゼロ以外は思念による遠隔操作であることと踏まえると、縁の下の11人(イレブンブラックチルドレン)の完全上位互換だと考えてよいかと思われる。

白の賢人・黒の賢人(ホワイトゴレイヌ・ブラックゴレイヌ)
放出系・具現化系・操作系の複合能力。
思念による遠隔操作型の能力で、白は自分と、黒は他人と位置を変えることができる能力。
空間ごと移動することからして、ゴレイヌの系統は放出系だと推測される。
ゴリラの形もリアルではないため、具現化として使われるメモリは低いとみる。
幼い頃ゴリラゴリラと虐められたときに、絵本でゴリラは森の賢人であるとか読んだ可能性も。だとすると、コンプレックスを克服した良い能力である。大事にしろよ。

魔法美容師(マジカルエステ)クッキィちゃん
具現化系・操作系の複合能力。
相性の良い具現化はともかく、変化系は操作系と相反する系統であり、遠隔操作は難しいとみられる点から、桃色吐息(ピアノマッサージ)などいくつかのモードをあらかじめ自動型の念として込めているものと思われる。
また、戦闘で使う能力でもないので、多少メモリに無駄があってもよいのだろう。
逆に変化系なだけあって、具現化系とは相性が良い分、放出系の念獣などと比べてクッキィちゃんの造形は無駄にしっかりしている。
本質はオーラを変化させたローションで、あくまでクッキィちゃんは自身に適用させるために生み出したマッサージ要員であり、それ以上でもそれ以下でもないのだろう。
念で再現できるようになるまで、エステに通いまくったんだろうなぁ。

衛星蜻蛉(サテライトンボ)
具現化系・操作系の複合能力。
視覚を共有する念虫を複数生み出す。
蜻蛉が本物と見分けがつかない造形であること、複数の蜻蛉を広範囲で遠距離操作することを考えると自動型の可能性が高く、それ故に具現化系能力者だと思われる。
複数を遠隔操作で操ることは、モラウがユピーと闘う際に紫煙機兵隊(ディープパープル)でやっていることだが、あれは操作系であるモラウが視界に入れた上で操作を行うから可能なのであって、衛星蜻蛉(サテライトンボ)の場合はおそらく「この範囲を捜索しろ」などの念を最初にこめることで操っているものと思われる。
またはキルアのときのように「対象を複数の視点から監視せよ」という念を込めているのだろう。
よって、フラッタは具現化系能力者であり、衛生蜻蛉(サテライトンボ)は自動型・電池式の念獣であり、能力としては「視界を共有する」というものであると思われる。

レオルが衛星蜻蛉(サテライトンボ)を使用する際に脳裏で映像を見ていること、遠隔操作っぽいことから、フラッタは操作系能力者であり、視界を共有する能力は遠隔操作に付随する遠隔視だと思われる。

ポットクリン
具現化系・操作系の複合能力。
天上不知唯我独損(ハコワレ)のマスコット。
ナックルの能力考察動画で語ったように、殴ることで相手のオーラを用いて具現化する充電式の念獣だと思われる。
対象に攻撃を与えない、かつどれくらいのオーラを返せば能力が解除されないのか教える役割をもつため、対象に有益な面をもつことから無害故に無敵。
いわゆる無敵型の念獣。
充電式ゆえに、術者からオーラを貸与されると力が溢れてくるのだろう。
逆に対象が破産するとトリタテンに変身し、対象のオーラを全て用いて具現化するため、対象は絶の状態になるのだと考えられる。

死亡遊戯(ダツdeダーツ)
放出系・具現化系の相互協力(ジョイント)型能力。
放出系・具現化系の相互協力(ジョイント)型能力に加えて、操作系能力も使用。
おそらくはオロソ兄妹のうち、妹が放出系。
妹が具現化したバッジを取り付けた(マーキング)対象に、兄の具現化した念魚を瞬間移動させる役割を持つと考えられる。
バッジはゲームが終わるまで外せないことから、操作系の能力も併用しているものと思われる。
おそらくはその副産物として、頭に直接話しかけるという思念による発信が可能なのかもしれない。
念魚はダーツが的に当たることで具現化する制約(条件)と、最後の一投をミスした場合、対象に与えたダメージが全て二人にはね返るという誓約(リスク)を持つことで、相手の体に刺さる瞬間まで実体のない防御不能の能力となっている。

ピトーの傀儡師
放出系・具現化系・操作系・強化系の高難易度(ハイブリッド)能力。
死体に具現化した傀儡師を取り憑け操る能力であるが、銃を操る兵士やディーゴ総帥はともかく、カイトや選別者などの死体にオーラ(生命エネルギー)があるのかという問題がある。
死後の念があることから、死亡した直後は残留した生命エネルギーがあるのだろうが、「生命」エネルギーである以上、基本的には時間の経過によって霧散してしまうだろうと考えられることから、死体が使うオーラはピトーが切り離したオーラではないかと推察され、放出系も使用しているのではないだろうか。
死体以外を操ることができるのであれば、キルアの仮説通り一般人のオーラを拳に集めて殴ることで選別者にした可能性もあるが、操っている対象が死体ばかりであること、また特質系は苦手な系統がないとのことから、高難易度(ハイブリッド)である可能性が高い。
加えて、死体の念を使用することが「モノの持つ力や働きを強化する強化系の能力」であるならば、強化系の能力も使用している可能性が高い(おそらく生きている人間の能力を使用させるのならば操作系の可能性が高いが、死亡した人間の能力を使用するとなると、強化系の可能性が高いのではないかという考えから)。
ゴンたちはカイトを見て操られているとは考えても、死体だとは考えていないことから、特質系の可能性は考えていなかったのかもしれない(腐敗していないことやカイト自身の念能力を使っていることから、生きていると考えてもおかしくはないだろう)。

紫煙機兵隊(ディープパープル)
放出系・具現化系・操作系の複合能力。
制約(条件)として、手持ちの大型キセルからしか具現化した煙のオーラを吐き出すことができない。
煙のオーラは一度に吐く量が多いほど強度が増す制約もあると思われる。
これらを利用して、小さなオーラの塊を放出し、操作の念を込め核とし、周りを煙人形で覆うことによって、広範囲かつ円でも見分けがつかないほどの高度な操作を可能とした念人形を作成できるとみてよいだろう。
基本的には自動型だが、煙の形状をナックルに変えたりする場合は思念による遠隔操作の念人形だと思われる。
その根拠として、ユピーと戦った際に意識が途切れると人形を維持できないと語っている。
おそらく遠隔操作の場合は、核を必要としないため、具現化系・操作系の複合能力だと考えられる。
ウサギの煙はおそらくこの遠隔操作なのだろう。

百式観音
具現化系・操作系の複合能力。
強化系としてはおそらく祈り攻撃の起点とする所作を強化し極めたと思われる。
つまり、祈ってから行動を起こすまでの速度を強化することで、圧倒的初動の速さを得たのだろう。
そこから先の拳であるが、手数を増やすために千手観音を具現化したと推察される。
決められた祈り後の所作から具現化する観音の攻撃パターンが決められており、マリオネットのような操作をおこなっているのだろう。
また、具現化した拳の威力を高めるために、大きな質量の観音像を具現化したのではないだろうか。
零の掌に関しては、精神統一して溜めたオーラを一度に放出する技であり、強化系と相性が良いため威力が高い。
一撃必中の技であり、おそらくは精神統一の業が制約(条件)であり、オーラを全て使い切ること誓約(リスク)なのだと考えられる。
肉体を強化して殴ることが強化系として一番威力が出るとは思われるが、対象を一切寄せ付けないということを考えれば百式観音は攻防一体無敵の技であるともいえるし、零の掌に関しても制約と誓約があることでただ殴るだけよりもよほど高威力であると推察できる。
おそらくは百式観音という絶対防御が完成した結果、自分からは攻撃をすることがなくなり、本気で戦うことがなくなったために観音像は血の涙を流すことになったのではないだろうか。
そして全身全霊の一撃である隠し玉の零の掌を放つときこそ、敗色濃い難敵を倒すための一撃であるため、血の涙は止まったのだと思われる。

おわりに

以前書いた念獣考察一覧を今の解像度で考察し直しました。
これなら動画にしてもいいかな。
でも十分超える動画作るの面倒くさいなり。

いいなと思ったら応援しよう!