HUNTER×HUNTER考察 バショウとアルカの能力についての考察

はじめに

バショウの能力考察をしていたら、いつの間にかアルカの能力考察になっていたぜ。
何を言ってるのかわからねーと思うが(中略)。
というわけで、しばしお付き合いください。

流離の大俳人(グレートハイカー)

クラピカの同僚であり、プロハンターでもあるバショウ。
まずは彼の念能力から考えていきたい。
バショウの念能力である流離の大俳人(グレートハイカー)。これは、彼が詠み誌した俳句の内容が実現するという能力である。

オレ様が 殴ったモノは みな燃える

これは自らの能力説明のために詠んだ俳句(というか川柳)だが、このあと実際にバショウが殴ったことで椅子が発火している。
これはどの系統の能力だろうか。
アニメでは具現化系とあったようだが、個人的にこれはないとみる。
なぜならば、具現化系の道具には特殊な能力が宿ることが多々あるものの、その能力は特定のものと定められており、このように幅広く何でも可能という能力はありえないからだ。加えて、道具に能力があるのであって、このときのバショウは道具で攻撃したわけでもない
俳句の短冊や筆が具現化したものであろうと、この能力の発動の仕方はおかしいのである。

さて、何でも可能な念能力といえば、誰しもが思い浮かべる能力があるだろう。
そう、ナニカに対するお願いである。

欲望の共依存

ナニカとは、キルアの妹(弟)であるアルカが能力を発動する際に現れる別の「何か」である。
その正体は明らかに暗黒大陸から持ちかえられたガス生命体アイであり、お願いはこのアイの能力かのように思われていた。
だが、冨樫義博展ではアルカが特質系能力者ということになっている。

ここからは多分に憶測を交えて推察するので確証はないが、おそらくガス生命体であるアイは、宿主に寄生して依存する反面、宿主の欲望を叶える存在だったのではないだろうか。
人間とは欲深いもので、願いが叶うたびに次の願いを思いつく。そうすることで、意図せずに宿主を破滅へと追い込んでしまう生命体だったのだろう。
ところが、そのような存在だったアイだが、宿主であるアルカは自らの欲望が存在しなかった。というよりは、他者の願いを叶えることを欲望としていた
子供だったので、純粋に人の役に立ちたいと思っていたのかもしれない。
このことから、元々のアイの性質にアルカの念が足されて「お願い」の能力になったのではないだろうか。
三つのおねだりをきくことで他者の願いを叶える制約。三つのおねだりは他者の願いに見合った対価となる。
おねだりは制約であり、破ると念をかけられた相手とその大切なもの等が命を落とす。
そうした特質系の能力が発現したのだろう。
つまり、宿主の願望を叶えることがアイ本来の能力であり、これには見返りを必要としない(宿主に見返りを要求して宿主が死んでしまえば本末転倒だろう。まあ、結局欲望によって宿主は破滅するため、共依存なのだろうが)
これに対して、アルカの願いをきいたことで、アルカ自身が他者の願いを叶える特質系能力を得た。もっというなら、アルカの念能力は、自分ではない他者の願いをナニカに叶えてもらう能力だろう。これにはアルカ自信が念能力として願いを叶えるため、制約として見返りを必要としたということだ。

さて、キルアの命令であるが、これには対価が要求されていない。
幼い頃、アルカがナニカに「キルアの命令をきいて」と願っていたのかもしれない。
そんなキルアは、ナニカに嫌な命令はしなかった。
だからこそ、ナニカもアルカ同様キルアのことがスキになったのではないだろうか。
キルアの命令はアイ本来の能力であり、アルカに対するお願いは、アルカの念能力である。
これなら辻褄が合うのではないだろうか。

特質系能力

さて、話をバショウへと戻す。
事象の現実化と呼ぶべき能力。これは、アルカの能力の下位互換であり、他の系統に分類されない能力である。つまりは特質系能力だ。
ただし、俳句の制約程度なので、下位互換といった通りそれほど大きなことはできないとみて間違いないだろう。せいぜいが人間の可能な範疇だと思われる。
メタ的にみると、ここで特質系だとあえて説明をしなかったのではないだろうか。
それは、特質系は念能力の中でも更に特別なものだと読者に印象付けるためだ。実際、このあとにネオン、クラピカ、クロロと特に印象深い特質系が出てくる。
ただ、特質系はユニークではあれど、スペシャルではない。数も他系統に比べ多いわけではないが、一定数存在している。ビノールトやバショウはそのことを表すために、また念能力の幅広さを示すために存在しているのだと思う。
まあ、もしかしたら王位継承編でもっと深掘りされるのかもしれないが。

おわりに

流離から連想して個人主義なのかとも思うけど、そこらへん今後バショウの過去が明らかにされたらわかるのかもしれない。
バショウが嘘つきで炎しか使えない変化系能力者、もしくは放出系能力者ってことも考えてはみたけれど、冨樫先生的にそういう可能性は低いのかなって。
何度も書くけど、ハンターハンターは割と作中で全部説明していたりするから。
ここら辺、エヴァンゲリオンみたいだなーって思う。あれも意味不明な内容に見せといて、実は会話や説明の端々を繋げて考察すると理解できる仕組みになってるので。
とまあ、バショウの能力を考察しようとしたら、アルカの能力考察になっていた話でした。シーユー。

※見落としとかあったらコメントで教えてください。
基本的に記憶先行で書いているので、ボール取りのこととか、操作系のこととか、寄生型のこととか、特質の環境要因とか、ポロポロ記憶違いや見落としがあったりするので、教えてもらえると助かります。

追記
あっ、炎を具現化っていうのはないと思っています。炎は物質ではなく現象なんで。
あるとしたら変化系。時間をおいて燃えたことから、放出系との組み合わせならあり得るだろうけど、念能力者の衆人環視の中そんな能力使っていたらわかると思うし、殴ってる腕にオーラを纏ってたんで、やはり特質系だと思われ。


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