奪われた天国
もう一度クロチアゼパムを処方して。私を解放して。
初めて入院した日、この薬は依存性があるからもう飲みませんって主治医に取り上げられたの忘れない。でもね、先生。依存しにくい薬をいくら処方したってこの薬の不安からの解放感には満たないんだよ。この薬を超えるのにはもう出会えない気がしてダメなんだ。
ここに取り上げられる前に取っておいたのみがらがある。空いて潰れてひしゃげたがらは私の心を表してるに違いない。隣には中身のある身のつまった薬。でもいくら飲んでも僕の不安感は拭えないし空虚だ。
簡単だよ、先生。もう一度処方して。
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