坂田幸樹著|アジャイル仕事術
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今回はダイヤモンド社さんから2022年6月28日に出版された、坂田幸樹さんの『超速で成果を出す アジャイル仕事術』をご紹介したいと思います。
本題に入る前に少しお知らせをさせてください。
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それでは本題です。
今回ご紹介する『アジャイル仕事術』なんですが、こちらの書籍は著者の坂田幸樹さんから、直接ご恵贈いただいた書籍で、変化の激しい時代の今、最も適した仕事術ではないかなと思います。
本書のタイトルにもなっています『アジャイル仕事術』の、アジャイルという言葉を聞きなれない方も多いかもしれませんが、アジャイルとは「俊敏」とか「柔軟」といった意味で、変化に合わせて素早く柔軟に対応していく仕事術のことです。
アジャイル仕事術は、独自の未来を構想する「構想力」、素早くアウトプットする「俊敏力」、環境に柔軟に対応する「適応力」、特性の異なる人と協働する「連携力」、コラボレーションして価値を生む「共創力」の5つから成り立っています。
インターネットが流行してから急速に時代は変化していって、今回のコロナでさらに加速したと思います。
そんな変化の激しい時代に起きているのが、「変動性」「不確実性」「複雑性」「曖昧性」のVUCA(ブーカ)の時代になっています。
本書は、変化の激しい、答えのない時代に、最も適した『アジャイル仕事術』を、すぐに実践して、成果を出せるように、アジャイル仕事術の考え方や習慣のためのコツについて、わかりやすく解説された1冊になってます。
そんな本書の中から、アジャイル仕事術を構成している5つの要素のうち、3つをご紹介したいと思います。
構想力
この「構想力」こそが、アジャイル仕事術の本質だと著者は言っています。
構想力とは、「これまでのルールや常識、価値観にとらわれずにゼロベースで考える」ということです。
要するに、前提を疑うゼロベース思考で考えることが大事なんです。
よく言われることですが、常識とは偏見の塊なんです。
そういった常識やルールに縛られない働き方が、求められる時代になってきているんです。
ではどうやって構想力を身に付けるのか。
それは「抽象化思考」「具体化思考」「アナロジー思考」の3つと、それらを総合した「アーキテクト思考」が必要になるんです。
抽象化というのは「グループにまとめる」と言うことです。
例えば、サッカー、バレーボール、バスケットボールというものに対して、「球技」とするのが抽象化です。
そして、球技、格闘技、陸上競技、水泳競技、これらに対して「スポーツ」とするのが、もう1段階上の抽象化になります。
こうやって聞くと、抽象化するのはさほど難しくないように思いますが、形のあるものを抽象化するのは比較的簡単なんです。
問題は、世の中で起きている現象やビジネスモデルや仕組み、そういった形のないものを抽象化するのは難易度が上がるんです。
実際に形のないものを抽象化するときには、想像力を膨らませて仮説を立てる必要があるんです。
次に具体化思考ですが、具体化とは「アウトプットするための思考法」です。
例えば、会社で抽象的な指示しか出さない上司に出会った事はありませんか。
抽象的なことばかり言って、具体的な指示を出さないと、各部署で具体的なアクションをする際に、解釈がばらけてしまうんです。
そうならないためには、「誰が」「いつ」「何をするのか」を具体的にしないといけないんです。
3つ目がアナロジー思考です
アナロジー思考は抽象化して具体化したものを転用すると言うものです。
これは、同業種だけに限らず、他業種であっても、抽象化することで類似点を見つけることができて、自分の仕事に具体化して転用することができるんです。
ほとんどの人が仕事でのヒントを得るために、同じ業界を参考にすることが多いと思うんですが、他業種を参考にして抽象化することによって、アイディアの幅が広がり新しいアイディアが生まれるんです。
要するに、アナロジー思考とは、遠くから借りてきた事例を当てはめると言うことです。
そして、具体、抽象、アナロジーを総合したものが、構想力の中心的な位置づけとなる「アーキテクト思考」になります。
アーキテクト思考というのは、ゼロベースで構想して、真っ白な紙に絵を描いていくようなイメージです。
そのためには、常に新しい情報に触れておく必要があります。
具体的には、若者と接する機会を増やしたり、異業種の方と交流を持ったり、新しい分野の本を読んだりすることです。
そうすることで新しい視点や刺激を得ることができるんです。
俊敏力
変化の激しい時代の今は、俊敏力が必要不可欠なんです。
俊敏力とは相手の期待値に合わせて素早くアウトプットするということです。
素早くアウトプットをしてフィードバックをもとに改善していくことが、今の時代は求められているんです。
要するに簡単に言うと、レスポンスを早くすると言うことです。
そのためには完璧主義よりも、相手の期待値に沿った完了主義を徹底することです。
どんな仕事でも必ず相手がいます。
相手がいる仕事で、完璧主義はマイナスにしかならないんです。
なぜなら、完璧にできたというのは誰の基準ですか。
もちろん自分ですよね。
要するに、完璧主義というのは自分の基準なんです。
自分が思う100点と、相手の思う100点は同じになるでしょうか。
ならないですよね。
日本の学校で出される問題は、全て答えがあります。
だから100点というのは、みんな同じ100点なんです。
ですが、仕事においては答えのない問題ばかりなので、絶対的な100点というのは存在しないんです。
例えば、自分がお客さんだったとして、ケーキ屋さんで子供の誕生日ケーキを予約していたとします。
誕生日に間に合うように予約しているのに、お店側が完璧にこだわって、「イチゴの位置が微妙に決まらなくて…」と言って、誕生日にケーキが間に合わなかったらどうでしょう。
相手は100点を目指したのですが、こちらとしては相手のこだわりなんて関係ないわけじゃないですか。
こうしたことが起きないためにも、完璧主義ではなく、相手の期待値に沿った、完了主義が大事なんです。
完了主義で大事なのが、相手の期待値を知ると言うことです。
要するに、相手が何を期待しているかを把握することです。
もしかしたら相手は、70点でも良いかもしれないし50点でもいいかもしれませんよね。
相手の期待値を知った上で少しだけ上回るアウトプットをすることがコツになんです。
適応力
適応力というのは、読んで字のごとくですが、環境に合わせて常に変化し続けることです。
そして、変化し続けると言う事は、常に未来を創造し続けることです。
会社でよく皆さんも、PD CAサイクルを回して改善を繰り返していると思いますが、変化の激しい時代にはPD CAサイクルは最も脆弱な改善方法なんです。
PD CAサイクルというのは、plan、do、check、action。
「計画」「実行」「評価」「改善」のサイクルを回していく事ですが、これでは現状の改善をしているだけに過ぎないんです。
イノベーションのジレンマというものがあるのですが、
ガラケーの時代を思い出して欲しいのですが、日本のメーカーはユーザの声をもとに既存の製品を改善してきました。
ところが、アップルがそれまで全く需要のなかったiPhoneを、世の中に送り出したんです。
これは既存のものを改善しているだけでは、生まれなかった製品なんです。
既存のものを改善しているだけでは、イノベーションは起きないと言うことです。
既存のものを改善していくPD CAサイクルは、足し算思考なんです。
一方で、変化に適応し未来を創造していくのは、引き算思考です。
例えば、無駄な会議が多いと感じているのなら、「どうすれば有意義な会議になるのか」と考えるのではなく、「会議をなくすにはどうすればいいのか」を考えるんです。
こうした引き算思考を養うためには、常に学び続けることが大事なんです。
日本人は世界から見ても異常に勉強をしない国です。
総務省の調べでは、日本の社会人の、一日の平均勉強時間は、たったの6分です。
さらに日本人の約50%の人が、月に1冊の本も読まないと回答しているんです。
こうした現状からも、日本人がいかに勉強しないかが分かるのではないでしょうか。
著者の坂田さんも『アジャイル仕事術』はまだまだ浸透していないと言っています。
みなさんにはぜひ本書を手に取っていただき、アジャイル仕事術を身に付けていただければと思います。
今回は以上です
最後まで読んでただき、ありがとうございます
それでは素敵な1日を
読書家のヒデでした
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