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山本多津也(著)|読書会入門

どうも、読書家のヒデです。

今回は幻冬舎さんから2019年9月25日に出版された、山本多津也さんの『読書会入門 人が本で交わる場所』をご紹介したいと思います。

本書は、「猫町倶楽部」という日本最大級の読書コミュニティーの代表をされている、山本多津也さんが書かれた書籍で、読書会に参加するメリットや、読書会への参加の仕方などが書かれた、読書会への参加のハードルを下げてくれる1冊になっています。

日本最大級の読書コミュニティー「猫町倶楽部」は、全国5つの都市で、年間に約200回の読書会を開催し、1年間の延べ参加人数は約9000人にまで上る、本が好きな方ならいちどは聞いたことがある、読書コミュニティーではないかと思います。

みなさんは、読書会に参加した事はあるでしょうか。

私自身は、読書コミュニティーLectio(レクティオ)の読書会オーナーや、Twitterのスペースで読書会を開催しているのですが、それまで読書会というものに参加したことがなかったんです。

読書会に参加したことがないまま、読書会を開催する側になったので、今でも手探りでやっている感じなんです。

ですが、今後も読書会に関わっていきたいと思うので、日本最大級の「猫町倶楽部」という読書コミュニティーの読書会が、どのようなものなのか知りたくて本書を手に取りました。

そんな本書から、猫町倶楽部が誕生して日本最大級にまで成長した、「猫町倶楽部の歴史」そして「読書会に参加するメリット」と「読書会は居場所になる」という3つをお伝えしたいと思います。


猫町倶楽部の歴史

「猫町倶楽部」は2006年9月に、著者の山本さんと友人3人の、4人で愛知県の名古屋で始まりました。

山本さんが読書会を始めた理由は、書籍から学んだことを実行し、それを継続するために、読書会を開催したそうです。

1人で本を読んでいるよりも、期限を設けて、仲間と本について話し合うことで、ゆるい相互監視が生まれ「読み終わらなかった」という言い訳をなくし、継続しやすくするためです。

そして、この読書会は「名古屋アウトプット勉強会」という名前で、月に1度、定期的に開催されていきました。

その読書会は、回を重ねるごとに、口コミで広まって参加者を増やしていき、半年後には1回の読書会で、10〜15名が集まるようになったんです。

人が集まるようになってきたことを受けて、山本さんは当時流行していたSNS「ミクシィ」で、名古屋アウトプット勉強会のコミュニティーを立ち上げたんです。

そうするとみるみるうちに参加者が増えて、会員数は立ち上げから、約2年で1000人を超えるコミュニティーになったんです。

そして、2008年ついに「名古屋アウトプット勉強会」は中日新聞の夕刊の一面で取り上げられ、その後はNHKの朝のニュースでも取り上げられて、紹介されるようになったんです。

そんな中、2009年に名古屋だけではなく、東京でも「東京アウトプット勉強会」を開催し、見事に成功を収め、東京でも人気の読書会となっていったんです。

そして、同じ年に、拡大し続ける読書コミュニティーの名前を、今の「猫町倶楽部」として名付けたんです。

そんな「猫町倶楽部」の代表、山本さんが語る、読書会に参加するメリットとは何なのか。


読書会に参加するメリット

そもそもみなさんは、読書会にどんなイメージをお持ちですか。

「語彙力の高い人たちが集まって、専門的な話をしている」というようなイメージを持っている人も、多いのではないでしょうか。

私も読書会を開催するまでは、そう思ってました。

ですが、いろんな人とお話をさせていただく中で、必ずしもそういった読書会ばかりではなく、ざっくばらんにお話しして、一緒に本を楽しめる場所なんだということを知りました。

確かに、世の中にはいろんな読書会があると思うので、専門的なお話をする、参加のハードルが高い読書会もあるとは思いますが、「猫町倶楽部」は参加のハードルもそれほど高いわけでもなく、ざっくばらんに本を楽しめる読書会であるということが、本書を読んで分りました。

そして、そんな読書会に参加するメリットは、みんなで読んで感想を持ち寄ることで、自分にはない視点を知り、いろんな人の視点を借りながら、多面的に読み直すことができる。そうすることで、その本をより立体的に理解できるようになる。これこそが読書会の醍醐味だと著者の山本さんは言っています。

これには私も全く同意見で、読書会を開催していろんな方とお話しさせていただく中で、全く私にはなかった視点でお話しされる方や、注目する場所が違っていたり、1冊の本からでも、「人によってこんなにも捉え方が違うんだ」ということをすごく感じています。

そうやって読書会を通して、いろんな方とお話をさせていただいて、いろんな視点をもらえることで、私自身の読書の幅や、本の面白さを改めて感じることができたんです。

日本には、読書会に参加したいけど、ためらってしまっている人が多いのではないかと思います。

日本人の約50%は月に1冊も本を読みません。

そうなると、私自身もそうだったのですが、自分の周りに、本の感想を言い合える仲間が、いない人が多いのではないかと思います。

そんな人は、読書会に参加してみることで、本を読む楽しさがもっと増えて、自分の居場所になるかもしれません。


読書会は居場所になる

ひと昔前までは「個」の時代だと言われていましたが、近年では「コミュニティー」の重要性や価値が、見直されています。

今では、オンラインサロンを始め、読書会やDAOなど、いろんなコミュニティーがあると思います。

その中でも読書コミュニティーは「本が好き」「もっと本を楽しみたい」「読書仲間が欲しい」「本の感想を話し合いたい」と、本というものを通して、「好き」が一緒の人が集まる場所です。

たとえ周りに読書仲間がいなくても、この場所に来れば「好き」を共有できる仲間がいると思うだけで、心に余裕ができるのではないでしょうか。

そして、コミュニティーを選ぶ際は、古参がドヤっていないコミュニティーを選んだ方が、楽しく参加できると思います。

古参の方たちの意見が強く反映されてしまうコミュニティーは、新しく入る人たちにメリットがないんです。

「古くからいる俺たち私たちの方が、コミュニティー内のこともよく知っているし、一緒にコミュニティーを盛り上げてきたから偉いんだ」という空気が漂っているコミュニティーは、参加しても楽しくないことが目に見えています。

著者の山本さんも「猫町倶楽部」では、ヒエラルキーは作らないと明言しています。

「サポーターも含め、全員が同じ立場である」と。

それは、誰が偉いとか、誰が下っ端とか、そういった縦の関係を作ってしまうと、そのことによって、新しい人が入ってきにくくなってしまうからなんです。

せっかく自分が楽しめそうな場所を見つけたとしても、昔からいる人たちが大きな顔をしていたら、そのコミュニティーに入りづらいですよね。

そうやって新しい人が入ってこないコミュニティーというのは、いずれ行き詰まってしまうんです。

なので、ヒエラルキーのない、自分にとって居心地の良いコミュニティーを、探してみてはどうでしょうか。

「好き」が共有できる仲間同士が集まったコミュニティーは、新しい居場所になるのではないかと思います。


まとめ

と言うことで今回は、山本多津也さんの「読書会入門 人が本で交わる場所」をご紹介させていただきました。

読書会を開催させていただいている私には、「読書会に参加するメリット」や「読書会は居場所になる」というのは、とても勉強になりました。

私自身はこの本で学んだことを、今後の読書会に活かしていきたいと思います。

本書には、読書会への参加の仕方や、読書会の開き方、トラブルの対処法まで書かれているので、みなさんもぜひ本書を手に取って、読書会に参加してみたり、ご自身で読書会を開催してみてはどうでしょうか。

今回は以上です

最後まで読んでいただき、ありがとうございます

それでは素敵な1日を

読書家のヒデでした

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