鴨頭嘉人(著)|コミュニケーション大全
どうも、読書家のヒデです。
今回は鴨ブックスさんから2022年8月18日に出版された、鴨頭嘉人さんの『コミュニケーション大全』をご紹介したいと思います。
著者の鴨頭さんといえば、みなさんご存知の方も多いと思いますが、もともとアルバイトとして日本マクドナルドに入社して、そこから店長まで上り詰め、数々の賞を総なめにした方です。
そして現在は、Voicyパーソナリティーでもあり、YouTube講演家として、経営者さんをはじめ、管理職の方や、一般の社員の方に向けたセミナーを開催したり、書籍を20冊以上出版していたりと、誰もが認める超インフルエンサーです。
そんなプロの話家である鴨頭さんが書かれた本書は、あらゆる人にとっての必読書ではないかなと思います。
会社や家庭、友人やSNS、人が生きていく上で、誰とも関わらずにいる事は不可能です。
人と関われば、必ずそこにコミニケーションが必要になる場面が現れます。
そんなとき、自分の思いとは全く違う意図で相手に伝わってしまったという経験は、誰もがあるのではないでしょうか。
どれだけ相手のことを思っていたとしても、伝え方によっては、相手を傷つけてしまうこともあるし、同じ思いだとしても、伝え方によって、相手の行動は変わってしまうんです。
では、なぜそんなことが起こってしまうのか。
それは、「コミュニケーションを学んでいないからだ」と鴨頭さんは言います。
そして、「コミニケーションとはスキルである。誰でも、いつからでも高めることができるんだ」と言っています。
人の悩みの大半は、対人関係にあると言われますが、人間関係で、いざこざが起きる時、それは、どちらかに悪意があったというよりも、コミニケーション不足が原因で起こることの方が多いのではないでしょうか。
「言わなくても分かる」という幻想を捨て、コミニケーションスキルを高めることが、人間関係を良くする方法の、ひとつなんだと思います。
本書は、人間関係の悩みを解決するコミニケーションスキルを高めるコツを、1対1、大人数、オンラインに分けて解説された1冊になっています。
その中から、みなさんも私も一番機会が多いと思われる、1対1でのコミニケーションの極意をご紹介したいと思います。
1対1コミュニケーションの極意
まず大前提として、コミニケーションというのは、社会人として、必須スキルだと鴨頭さんは言います。
その上で、コミニケーションが下手で悩んでいる人は、優しくないんだといいます。
こうやって聞くと、「そんな事は無い!自分は相手の為を思って話をしている」という人もいるかもしれませんが、ここで言う優しくないというのは、心が優しくても、相手への配慮や行動が優しくないということです。
例えば、病気で寝込んで、頭痛もひどく、口を開くのも辛いという状態だったときに、一緒にいるパートナーに「大丈夫?」「何かいる?」と聞かれても、返答ができない時もあると思います。
返事がないので、パートナーは何もせず静かにしていたとします。
このときパートナーの方は、相手のことを心配して声をかけているので、一見優しいように見えるし、自分でも優しい行動をとっていると思っていると思います。
ですが、本当に優しいのでしょうか。
相手の立場になって考えたときに、喋れないほど苦しいなら何も聞かずに、スポーツドリンクや薬を買ってくるという行動も、取れたのではないでしょうか。
要するに、誰もが自分では気づいていないところで、優しくない行動をとっている可能性があるんです。
なので、コミュニケーションを学ぶときは、自分は優しくないという前提に立つことが大事なんです。
丁寧に話す
その上で、コミニケーションは相手の立場に立って、丁寧に話すことが大事なんです。
コミニケーションエラーが起こってしまう原因の1つに、「言葉足らず」があります。
話は簡潔に、わかりやすく伝える方が良いと言われますが、いくら短くても、言葉足らずでは何を伝えたいのか全く分かりません。
例えば、「うちの会社の社長が、〇〇さんと一緒に写真に写ってるんだよ。」と言われて、その写真を見せられても、「すごいね…」と答えることはできますが、相手が何を伝えたいのかは、全くわからないですよね。
会社が凄いのか、社長が凄いのか、〇〇さんが凄いのか。
それとも、そんな会社で働いている自分が凄いのか。
そして、一緒に写真に写っているから”すごい”というロジックは何なのなか。
しっかりと、何を伝えたいのか、何が凄いのか、自分の思いを言語化しないと、優しいコミニケーションは取れないんです。
そして、言葉足らずにはもう一つ問題があって、それが、場合によっては、相手に伝わったと勘違いしてしまうことです。
なぜなら、聞き手は、相手が何を伝えたいのかわからないけど、それっぽい返事や相槌を打ってしまう可能性があるからです。
先程の例でいくと、何が凄いのか、何が伝えたいのかわからないけど、「凄くない?」と聞かれたから「すごいね…」と、答えてしまうのと同じです。
相手が、「何が言いたいのかわからないです」と、指摘してくれる人なら、自分の改善点に気づくこともできますが、全く指摘されずに、そのことに気づかないでいると、相手に伝わったと思い込んで、自分自身の改善にもつながらない上に、相手に大きなストレスを与え続けてしまうことになるんです。
そうならないためにはどうすればいいのか。
優しくなるための技術
本書では、優しくなるための12の技術として、12個の技術が紹介されています。
その中でも、「思いは伝わらない、を前提に話す」ということを意識するだけで、優しい話し方を身に付ける第一歩になるのではないかと思います。
なぜなら、自分の伝えたいことや思いは、相手に伝わるものだと思い込んでいると、相手の立場に立った、優しい話し方になる事はないからです。
例えば、本書の例を借りると、社長が営業の担当者に、売り上げ目標を達成してほしいと思っているとして、「もっと売上げを上げろ!ちゃんと目標達成しろよ!目標達成しなかったらどうなるかわかってるんだろうな!」と、げきを飛ばしたらどうなるでしょうか。
確かに、この言葉は、社長の本心であり、思いなので、言葉と思いは一致しているかもしれません。
ですが、こうやって言われて、営業の担当者は、「よし!社長の思い通りに頑張って、売上げ目標を達成しよう」と思うでしょうか。
むしろ、やる気を失ってしまうのではないでしょうか。
要するに、自分の思いを、自分の伝えたいことを、そのまま言葉にしても、相手には伝わらないと言うことです。
言葉を選んでから相手に伝えることで、優しい話し方を身につける第一歩になるんです。
本書には、鴨頭さんの失敗談や、どのようにして成り上がってきたのか、そして、大人数向けのコミュニケーションの極意や、オンラインコミニケーションでの極意など、まだまだ伝えきれていないことがたくさんので、ぜひ本書を手に取っていただいて、人間関係を良くするコミニケーションスキルを身に付けてみてはどうでしょうか。
今回は以上です
最後まで読んでいただき、ありがとうございます
それでは素敵な1日を
読書家のヒデでした