第52回 第4逸話『カリュプソ』 その10
慌てて台所へ向かったレオ。フライパンの上の肝臓肉はそれほど焦げてなかった。
セーフ!
「さ、(自分の)朝飯だ!」
パンを一切れバターを塗って、肝臓肉は一口でペロリ。猫ちゃんにも少しやる。優しいねブルーム。紅茶を一口、最後はパンを肉汁に浸したやつをパクリ(フライパンの掃除にもなるしね)。でゴチ。
続いて、ミリーからの手紙を読む。
”パパちゃま、誕生日プレゼントありがとう。タムの帽子(毛糸の帽子)、みんなとっても似合うって。ママからのお菓子も素敵だった。
(中略)
バノンっていう男の子がよく遊びにくるの…”
”あいつめ、もうそんな歳か…”、と思うブルーム。
てかバノン…、そう第一逸話の最後の方で、マリガンが海岸であった友人との会話
「ウエストミーズのバノンからハガキをもらったよ。向こうでいい娘と出会ったって。フォトガール(写真屋の娘、つまりミリー)だってさ」
そのバノンである(アレック・バノン。その後の逸話でご本人も登場予定である)。ブルームの今の時刻は、だいたい午前8時30分過ぎぐらい。
だから第一逸話のマリガンたちの会話とほぼ同じ頃。
つまり、バノンくんは、同時刻に二つの場所で噂されているのだ。
こーいうー構成個人的に好き。
…続く。
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