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『ユリシーズ』4話『カリュプソ』の巻

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『ユリシーズ』4話『カリュプソ』の読書記録&解説です。
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記事一覧

第56回 『オデュッセイア』第5歌&第4逸話『カリュプソ』 総括

『オデュッセイア』第5歌  神々の会議にて、不品行を働いたオデュッセウスに対しての(海神…

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第55回 第4逸話『カリュプソ』から逸れて『死者たち』

 前回ブルームの独白の中で出てきたグレタ・コンロイとは、ジェイムズ・ジョイス著の短編集『…

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第54回 第4逸話『カリュプソ』 最終回

 朝食を済ませたブルームは、便所へ向かう。『ティットビッツ』とかいう、当時実際にあった週…

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第53回 第4逸話『カリュプソ』 その11

  ミリーは昨日、6月15日が15回目の誕生日。生まれて初めて親元を離れ…。 ブルームは感慨深…

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第52回 第4逸話『カリュプソ』 その10

 慌てて台所へ向かったレオ。フライパンの上の肝臓肉はそれほど焦げてなかった。 セーフ! 「…

第51回 第4逸話『カリュプソ』 その9

「他の本も読んだの?」レオがモリーに聞いた。 「読んだ。全然エロくないの。このポール・ド…

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第50回 第4逸話『カリュプソ』 その8

 肝臓肉を調理しながら、レオはミリーからの手紙の封を切った(中身は後ほど)。 そして、盆の上にパンとバターと砂糖とティーポットを乗せ、妻のところへと向かう。 愛する妻のセリフ 「遅かったじゃないの」(ところでモリーは朝からまだベッドから離れていない)。 「ところで君宛の手紙は誰からだった?」「ボイラン。プログラムを持ってくるんですって」  ボイランとは、興行師で、モリーの仕事の世話をしている男。 わざわざ手紙? ブルームん家はまだ電話がないらしい。 「君は何を歌うの

第49回 第4逸話『カリュプソ』 その7

 「ただいまー」  帰宅するブルーム。ドアの下には、手紙二通と葉書が一枚。手紙の一枚には…

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第48回 第4逸話『カリュプソ』 その6

 肉屋を後にするブルーム。横にあった新聞紙を一枚抜き取る。 また通りを歩きながらの独白。 …

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第47回 第4逸話『カリュプソ』 その5

 そしてお目当ての「ドルゴッシュ食肉店」に着いた。  当時「上ドーセット通りA 55」ってと…

第46回 第4逸話『カリュプソ』 その4

 ”彼はラリー・オロークの酒場まできた”   この酒場は、当時実在し主人の名もラリー・オ…

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第45回 第4逸話『カリュプソ』 その3

 ブルームは外に出た。時刻は8時20分ぐらい。繁華街の道を歩く。一人でぶらぶら歩いてるので…

第44回 第4逸話『カリュプソ』 その2

 今、レオポルドは台所に立っている。まだぐーぐー寝ている愛妻モリーのために朝食を作ってい…

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第43回 第4逸話『カリュプソ』 その1

 時刻は午前8時。 つまり第一逸話の頭に戻ってる。ここから夫レオポルト・ブルーム&その妻モリーの物語が始まる。 『ユリシーズ』リスタートです。  今二人がいる場所は自宅。集合住宅です。エクルズ通りっていう、地図で言うとこのリフィー川って言うダブリンを真っ二つにする川の上側にあって、結構繁華街にある通り沿いにあります(ちなみにこの小説に出てくる全ての通り名も、店名も、1904年当時、ダブリンに実際にあった)。 この集合住宅は当時本当にあった建物です。  一応二人のキャラ説