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失恋したら髪を切る的な文化

日本には何故か髪を切った女性に
「失恋した?」と聞く文化が存在している。

たぶん、今はセクハラとか多様性とか
そういう言葉で制限されて
徐々に薄れていっている気がするけど…

だが思春期、高校生の私達には
その”失恋したら髪を切る的な文化”は
根強く残っているなあ〜と感じる。

私の周りの友達、
髪を切るときは大体、失恋したときだ。

好きな人のタイプがボブだから〜とか
そんなハッピーな理由じゃなくて

失恋したから今までの自分とお別れするために、みたいな、そんな理由が多い。











そんな友人達を横目に見ながら
私は毛先の荒れた癖っ毛を梳かしている。

いつの間にか1年間髪を伸ばし続けていた。

恋愛気質の私が、失恋したら髪を切る的な文化に振り回されなかった1年間。


とは言いつつ
この1年で実質失恋だろ、
と思われるものを2回経験した。







だけど髪は切れない。
切ったら、全部終わりになる気がしたから。

失恋によって髪を切ることを
今まで躊躇したことがなかったのに、なぜか急に怖くなってしまった。


卒業によって全ての縁が切れるように、
切られて落ちていく髪の毛を見たくなくて。


考えすぎで情けなくなってくる。

こんなの、受験生が本番前に
カツを食べたり(意識高い系は食べないだろうけど)
落とし物に敏感になったりするのと同じだ。








夏なのに、結べない中途半端なボブカットにしてきた私の友達がすごく眩しく見えた。

先輩の好きな髪型なんて分からないまま
先輩は卒業していくんだろうなあ。

思いを断つことも、髪を切ることも出来ず、
ただただクリープハイプの寝癖に共感する毎日を過ごしている。

もう全部、終わりに出来たら
美容院を予約して自分の好きな髪型にしよう。

好きな人ばかりに振り回される
私の性格を律するために、ね。




思春期の私を救ってくれる
失恋したら髪を切る的な文化が
多様性の押し付けによって無くなりませんように。

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