【11/6】今週のリテールトピック #新小売概論
「新・小売概論」では、毎週海外ニュースを4〜5本ピックアップし、海外トレンドをベースにアパレルや小売を取り巻く環境について考察していきます。
国内ニュースのピックアップは毎朝NewsPicksでも行なっていますので、ぜひあわせてチェックしてみてください。
NewsPicksアカウント:https://newspicks.com/user/159187
今週の主要ニュースはこちら!
1.アパートメント・ストアという新しい店舗のかたち(The Business of Apartment Stores)
2.デジタル時代のコスメブランドの作り方(How to Build a Beauty Brand in the Digital Age)
3.Nordstrom Localの内部を紹介!
(A peek inside Nordstrom's merchandise-free 'Local' shop)
4. Otherwildの「The Future Is Female」Tシャツー慎重な実験が、ネットでの評価を勝ち取った
(Otherwild's 'The Future Is Female' Shirts: A Cautious Experiment Wins Internet Fame)
5.パーソナライゼーションはなぜ店舗での顧客体験のキーになるのか
(Why personalization is key for retail customer experiences)
1.アパートメント・ストアという新しい店舗のかたち(The Business of Apartment Stores)
記事URL:https://www.businessoffashion.com/articles/intelligence/the-business-of-apartment-stores
顧客は、一度そのブランドの「ライフスタイル」を購入することで、より多くの商品を購入する常連客になる。
“Once you have bought into the brand lifestyle, you are then more likely to buy more product and become a regular customer.”
最近ホテルにはまっている私ですが、アパートメント・ストアという発想も「ライフスタイルの体験そのものを売る」という根底は近い気がします。
アメリカでは2015年ごろからこの流れがはじまったようで、常設店舗はもちろん、ポップアップストアも「アパート」を模したものが多いそう。
日本でも「家」をイメージしたショップが増えた気はしますが、やはりアメリカはその一歩先をいっているなと思ったのが、店舗設計事務所が運営するAlex Eagle Studioの事例。
まるでおしゃれな友人の家に招かれたかのような空間に並べられた商品はすべて売り物なのですが、なんとショップとしてだけではなく、近隣住民のワークスペースとしても機能しているとのこと。
「彼らはPCを持ってきて、1日中仕事をしています。そして最終的に、The Rowのコートやジャンパーを買っていくこともあります。」
“People come, plug in their laptop and stay all day. At the end, they might go and buy a coat or a jumper from The Row.”
「アパートメント風」のショップは増えてきたものの、ここまで時間を過ごしてもらうことに割り切った空間はまだ日本ではないように思います。
これからの店舗づくりで重要な観点として"Generosity of Space(空間の寛容さ)"が取り上げられていましたが、私自身も百貨店時代に「売場」であるがゆえの自由度の低さに問題を感じてきたので、こうした流れは歓迎すべき変化だと思っています。
「プレッシャーを感じることなく、まるで自分の家のように歓迎されるー何か買わなければと思わずにすむ、ただ楽しむだけの場所」
“the place where you feel no pressure and which is very welcoming — like your house — where you don’t feel like you have to shop, you just want to hang out there”
また、こうしたアパートメント・ストアの変化が、コミュニティ形成の面から語られていたのも非常に面白いと感じたポイントでした。
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