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余談的小売文化論

「知性ある消費」をテーマに、現代の消費行動や理想論と現実的な問題のギャップについて考え、言語化しています。「正解」を語るのではなく、読み手が自分なりの正解を見出すための一助になる…
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2021年12月の記事一覧

12月に読んだ本まとめ

今年最後の読書録。今月は5冊の本を読了しました。そのうち一冊は英語の原著。2021年は全部で4冊の英語本を読めたので、来年は月一冊ペースくらいで読了できるようにがんばりたい…!
ちなみに年末はドストエフスキー三昧しようかなと計画しています。

今年読んだ本はこちらのマガジンにまとめているのであわせてどうぞ!(この12月分もこちらのマガジンに格納しています)

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自己責任のキャリア形成

自己責任のキャリア形成

いまや終身雇用は過去のものとなり、ひとつの企業に定年まで勤め上げる前提でキャリアを考えている人の方が少数派だろう。昔は入社後3年以内に辞める若者が話題になったものだが、新卒で入社した企業を3年も経たないうちに辞めるのはそう珍しいことではなくなった。

かくいう私も、3年経たずに辞めた若者の一人である。その後も3年以内に転職したり独立したりを繰り返してきたので、ひとつの組織にじっくり腰を据えたことが

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12月の #あさみのまなび ベストセレクション

12月の #あさみのまなび ベストセレクション

今月も「消費文化総研コミュニティ」のSlackで私が淡々と投稿している「まなび」の中から抜粋したまなびセレクションをお届けします!
まなび全文にご興味のある方はコミュニティへご参加ください〜!

D2Cブランドがはじめにぶつかる壁

D2Cブームもこの2、3年で成熟し、当初の定義である「直販」の範囲にとどまらず、商業施設に出店したり卸をはじめるブランドも増えた。アメリカではDNVB(デジタルネイティブブランド)とも呼ばれているが、これらの新興小売企業をここでは「出資を受け、急激な成長を期待されるブランド」と再定義した上で、今後のD2Cブランドについて考えてみたい。

「いい体験」に感動は必要か?

「いい体験」に感動は必要か?

雑誌やSNSでは、何かの記念やご褒美として購入するラグジュアリーブランドのアイテムこそが「一生モノ」として紹介されている。子供や孫の代まで受け継ぐことまで見越して、多少値が張ったとしても清水の舞台から飛び降りる感覚で投資として購入するモノ。

それらを見ていると、「一生の付き合い」になるかどうかは購入以前に決まっているものだと錯覚する。

しかし実際に家の中を見渡してみると、買ったときにはこんなに

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仮想現実の普及でコスメの需要は減少するのか?

仮想現実の普及でコスメの需要は減少するのか?

Facebookが社名を「Meta」に変更したニュースが世界を駆け巡ってから、日本語でも英語でも「メタバース」の文字を見かける機会が増えた。デジタルを通してフィジカルなモノやサービスへとつなげるソーシャルコマースやDXの次は、デジタル世界で消費まで完結する世界がくる。この大きな流れは止まらない。

どのブランドもまだ実験的な取り組みにとどまっているものの、メタバースの波はビューティー業界にも影響を

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健やかであるための節度と品位

健やかであるための節度と品位

成長と健やかさは、時に矛盾することがある。拡大するには何かしらの「過剰」が必要なので、健全の要素である「節制」とは相反する部分があるからだ。