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余談的小売文化論

「知性ある消費」をテーマに、現代の消費行動や理想論と現実的な問題のギャップについて考え、言語化しています。「正解」を語るのではなく、読み手が自分なりの正解を見出すための一助になる…
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2021年11月の記事一覧

11月に読んだ本まとめ

11月に読んだ本まとめ

めっちゃギリギリになりましたが今月読んだ本の一覧です!今月は、東洋思想から建築論、文学までそれぞれの読書がつながって、すべてを貫く思想を感じられた月でした。
読んだ本は6冊と少なめですが、いつも以上に熱量の高い感想になった気がするので、読書の参考になれば嬉しいです。

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11月の #あさみのまなび ベストセレクション

11月の #あさみのまなび ベストセレクション

今月も「消費文化総研コミュニティ」のSlackで私が淡々と投稿している「まなび」の中から抜粋したまなびセレクションをお届けします!
今回はけっこう長文+写真付きの投稿が多かったのですが、都合によりこの記事の中では割愛したものも多いのでご興味のある方はコミュニティへご参加ください〜!

日本人的「内省」のちから

日本人的「内省」のちから

この時期に本屋や文具店へ赴くと、必ずといっていいほど手帳フェアが行われている。手帳がずらりと並んだコーナーを見ると、「いよいよ冬だな」と実感する。

私自身は、紙の手帳を使わなくなってからずいぶん経った。普段はGoogleカレンダーでスケジュール管理をしているので、そのうち紙の手帳も廃れて過去のものになっていくのだろうなあと思いながら売場の前を通り過ぎてきた。

しかし5年経っても10年経っても手

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CXを支える流通への投資

CX(カスタマーエクスペリエンス、顧客体験)が日本でもトレンドワードになり、体験価値の向上を謳う企業も増えた。特にパンデミックの影響でオンラインに軸足を移す小売企業が増えたことで、「オンラインで実店舗と同じクオリティの体験をどう提供するか」という現実的な課題がCXの普及に拍車をかけたように感じている。

パンデミックの発生から1年半が経過し、徐々に客足が実店舗へ戻り始めたのもあってか、小売のオンラ

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「センスのいいセレクト」のジレンマ

「センスのいいセレクト」のジレンマ

気に入って読んでいた雑誌が休刊したり月刊誌から季刊誌になったりするのはいち読者として寂しいものだ。しかしセンスのよさとビジネス的成功は必ずしもイコールではないところにその面白さと難しさがある。

「いいものを作りさえすればいつか評価してもらえる」は半分は事実で半分は嘘だ。評価してもらえるまで続けられなければ、「いいもの」を作っても発見されることなく情報の海の中で藻屑となって消えていくだけだ。

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