CXを支える流通への投資

CX(カスタマーエクスペリエンス、顧客体験)が日本でもトレンドワードになり、体験価値の向上を謳う企業も増えた。特にパンデミックの影響でオンラインに軸足を移す小売企業が増えたことで、「オンラインで実店舗と同じクオリティの体験をどう提供するか」という現実的な課題がCXの普及に拍車をかけたように感じている。

パンデミックの発生から1年半が経過し、徐々に客足が実店舗へ戻り始めたのもあってか、小売のオンラインシフトに付随する狂乱も落ち着いてきたようだ。その一方で、海外では大手小売が流通の再設計を着々と進めている。

裏側のロジスティクスは消費者には見えないので店頭のイノベーションに比べると話題に上りづらいが、CXを考えるならばまず初めに手をつけなければならないのがこの流通部門の戦略策定と投資だと私は考えている。

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余談的小売文化論

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「知性ある消費」をテーマに、現代の消費行動や理想論と現実的な問題のギャップについて考え、言語化しています。「正解」を語るのではなく、読み手…

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