🌱【私小説的気づきのエッセイ】受け容れたら、楽になった〜『目の前の現実は、自分自身が創っている』と、いうこと。

【気づきのエッセイ】『思い込み』が創る苦しみに気づいた瞬間を描いたストーリーです。

突然の連絡

故郷のウドンタニーに娘と弟さんカップルと帰郷した旦那さんから、電話がかかってきた。到着してから3日目のことである。
今日あたり向こうを出発する予定だったはず。なんとなく、ピーンと来て電話をとった。

旦那さん:『帰るの明後日くらいになるから〜。弟の予定変更で、今日から別行動になっちゃって。帰りはみんなで一緒に帰ることになってるから。よろしく〜♪』

いつもの如く、突然決まるから事後報告である。なんでも、一緒に行った弟さんと彼女が、知合いの所へ泊りがけで行ってしまった、というのだ。我が道を行く人たち。。。

私:　(やっぱり！)『よろしく〜♪　じゃないわよ〜。まぁ、おーけー、わかった〜。それじゃ、お休み延びるって、学校に連絡してね。』

旦那さん:『わかってまーす。じゃあ、また～』

私:『じゃあ、また～、じゃないよ。全くぅ、、だいたい、田舎に帰って、2~3日で戻る予定っていうのが、無理やねん！』電話が切れて、ブツブツ独り言をいう私だけが残された。いつものことである。

しかし、以前の私とは全然違う。ぜんぜん心が乱れないのだ。

そういえば、以前なら、ここから不毛なやりとりが始まっていたなぁ。遠い昔のような気がする、、、っとその頃の光景を思いめぐらせた。

今までにも、同じような場面が何度もあった。その度に、必ず言い出しっぺはいつも私である。何とか予定通りに帰ってこれるよう、必死になってその答えを探し出そうとしたのだ。今考えると、答えなんて1つじゃないのに。。。私にとっての答えは、当初の日程で戻ってくること、だったから。

そのために、のんびりしている旦那さんをけしかけて、あれこれと騒ぎ立て、最終的には、『なんで、いつも勝手に決めちゃうの』と、今更言っても仕方ないことで、問い詰めたりしていたのだ。そうなると、旦那さんは、『また、ququの　“なんでー！？“　が始まった、、、』いつも困り果てて、どうしようもなくなるのである。

思い込みの呪縛

そうなってしまう理由は、私の中にあった。『約束したことは守りなさい』だの、『学校は休まずに行く』という、『こうあるべき』『こうするべき』という、思い込みが引き起こしていたである。

この思い込みは、一夜にしてできたものではない。幼いころから両親に同じようなことを言われて育ってきたのだ。なかなかこの呪縛を自分自身の中に見つけ出すまでには、かなりの時間を要したし、それを手放すにはかなり葛藤があった。なぜなら、それを手放すことは、『形成されてきた人格や、これまでの経験で培った価値観を、全否定することではないか』という恐怖があったからである。

驚くことに、私の思考の中で、『約束したことを守らない＝決めたことをやり通さない＝すぐ諦めて努力しない＝不誠実』という図式が、知らない間に出来上がってしまっていたのだ。

『予定変更（それも突然で、かつ事後報告）＝不誠実』という信号が、私の中に一瞬で走り抜ける、、、自分の中で瞬時に切れる音がする、、、また始まったか、と思う。。。

一度決めたことを、あっさり変更してしまう旦那さんに理解を示すことは、『こんな不誠実な考えに迎合してしまうのは負け』という変なプライドや、『悪いことは、ちゃんと教えなければ』という、勝手なお節介も手伝って、どんどん泥沼にはまっていく、、、自分の言い分を押し通そうとするエゴの強さは相当なものであった。（今でも手放し切れなくて、見え隠れしているが、、）

旦那さんの思考とのギャップ

ところが、旦那さんには、変更に至るたいした理由なんて無いのである。在るとすれば、起こってしまったハプニングを受け入れて、なるように任せているだけなのだ。私のように強引に答えを求めたりしない。よく考えるとその方が臨機応変。そして一度決めたことでも、執着せずに切り替えてしまった方が、深く悩む必要はなくて気分がいい。言い換えれば、気分が軽くてストレス無しなのである。

出会った頃は、旦那さんのそんな所が新鮮で、驚きで、そのおおらかさが良いところだなぁって、思っていたのに。。時間を共にすればするほど、自分とのギャップに苦しんでいった。なぜだろう？

『あなたはそれで良いかもしれないけど、私はそれでは許されないの』と、勝手に思い込んでいた。仕事のせい？環境のせい？それとも、本当はそうなりたいのに、抵抗する自分のせい？　私は旦那さんに嫉妬していたのだ。

思い込みを手放せるのは、自分自身だけ

『しかたないから、待つことにする。』それでいい。待っている間に、娘は久しぶりに会った従妹たちとの楽しい時間を過ごせるし、学校ではできない体験が田舎にはある。いまでは、年に一度も帰らなくなってしまった故郷。旦那さんも娘も、きっと満喫しているはず。どういうわけか、そこに留まらなければならなくなったのには、何か理由があったはず。『いろいろな出来事は必然で、宇宙はいつも最善』という言葉が、頭をよぎる。

『目の前に起こる現実は、自分自身が創ったもの』今ならその意味がよくわかる。いまは、同じ出来事が起こっても、心は軽い。『そう、わかった』と受け入れるだけなのだ。

自分自身を苦しめていたのは、他ならぬ自分自身だった。それが分かってからは、旦那さんへの感謝でいっぱいだ。こんな我儘でヒステリーな私にいつも付き合ってくれていたなんて、本当にごめんなさい。そしてありがとう。

それでいいのだ

涙腺が緩んでいる自分に気が付いて、はっと、我に返る。『そうか、明後日までひとり時間延長か〜、何しよっかなぁ〜。そうだ、久しぶりにうどん食べたい！手打ちうどんだぁ〜。関西人は粉もん、粉もんっと♪』

私も切り替えが上手くなったものだ。自分で自分をほめてあげよう。とても気分がいい。食べてばっかりやけどね。。。と、つい笑ってしまう。でも、食べることはエネルギーをいただくこと。美味しいものを食べるときは、尚更、心から幸せを感じる。だから、それでいいのだ。

うどんをコネていると、汗がにじんでくる。タイはもう夏になった。でも、時おり吹く風がとても気持ちいい。穏やかな昼下がり。

『うどんができたら、冷凍して２人にも取っておこう。旦那さんは、冷やしうどん。娘ちゃんは、天ぷらうどん大好きやもんね！』

おしまい。

☆編集後記☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡

こんにちは、『ququ』です。最後まで読んでいただいて、ありがとうございます！気に入っていただければ、うれしいです♪

このエッセイは、初めて書いた“『自分に優しく、、人に優しく。。。『自分軸で生きる』ということ“　の続編のような感じなりました。まだ読んでない方は、そちらも読んでいただくと嬉しいです。

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