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こるり
2022年5月31日 21:20
さらりと喉を通る茶色のきらめき。少し硬く炊かれた米が汁気を纏って流れ込んでくる。 五月の末、魯肉飯を作った。ふと衝動が押し寄せてきたのだ。すっかり忙殺されて自炊もおざなりになっていたはずだが、時間をかけて煮込む過程を愛したくなった。 ブロック肉を買ったのはいつぶりだろうか。独り身ではよほど余らせそうな量の肉塊を、うんと細かく切っていく。生姜や大蒜をそれよりも細かく刻む。このときばかりはチ