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失敗が続くけれど、パイ生地の練習をしています

アップルパイを作って欲しいと言ってくださった方がいるので、パイ生地の練習をはじめました。

今週2回チャレンジして、どちらも失敗…しばらくはパイ生地作りの練習をすることになりそうです。




デトランプ

パイはまず「デトランプ」という生地を作ることからはじまります。

デトランプ
小麦粉に冷水、塩などを加えて混ぜ合わせた粉生地のこと。グルテンを形成した生地でバターをたたみながら折り込む、パイ生地のベースとなるもの。


小麦粉は水分と合わさることでグルテンを形成します。折り込みパイ生地は、このデトランプでバターを包み、のばして折りたたむ作業を繰り返すことで生地とバターを層状にしていきます。

作りながら、生地を折り込んでいってもレシピの写真のようになめらかにならなくて、折り込みすぎてしまったのでしょう…

2回目の失敗は、材料の冷やし方が足らなかったのだと思います。

バターと生地を層状にするからこそパイなのに、バターがゆるんでしまうと粉となじみすぎてしまいます。

サクサクした食感と、幾層もの生地がはらはらと崩れていく軽やかさ、あふれるバターの風味と芳香が魅力のパイ…

織り込む回数が増えれば打ち粉の量も増え、小麦粉と油脂分の比率が変わってしまい、焼き上がりがもろくなってしまいます。

はじめてのパイは、折り込みすぎて生地が固くなり、膨らみもしませんでした。



グルテンを抑える理由

パイは、ほろほろっともろくて、口の中で溶けていくような繊細な食感です。この美味しさを生み出すために、グルテンの発生をなるべく抑えるのですね。

グルテンの量によって生地の食感が変わってくるので、サクサクとした軽やかさを生み出すためには、生地を十分に休ませる必要があります。


生地を休ませる時間が短い
生地が割れて中身が漏れてしまったり、焼成中に型から離れて焼きが甘くなったりする。

十分に生地を休ませる
グルテンの量によって食感に違いが生まれてくるので、グルテンを休ませて落ち着かせると、焼成時に生地のゆがみや縮みを防げるだけでなく、サクサクした食感が生まれる。


そして、ホロホロとした食感を生み出すのがバターです。

バターなどの油脂を加えることで、小麦粉のグルテンのつながりを防げ、サクッとした食感が生まれます。サクサクホロホロの食感を作るバターのこの性質を「ショートニング性」といいます。

フランスでは「バターで生地を包む」と表現されるぐらい、リッチな味わいが楽しめるのです。

この折りパイ生地の出来不出来には、長年の経験が要求されるそうですから、スタートラインに立ったばかりの私には遠い星かのようですが、焦らず練習をしていきますね。



2種類のパイ生地

フィユタージュ・ラピッド(速成パイ生地)の「フィユタージュ」とは「層状になった生地」という意味です。

本格的なパイ生地(フィユタージュ・ノルマル)は、手間と少々の熟練が必要ということで、まずはラピッドを練習です。

フィユタージュ・ラピッド
(速成折り込みパイ生地
ラフ・パフ・ペイストリー)


本格的なパイ生地に比べ、約70%の高さまでしか浮き上がらず、浮きにもムラがあり無骨な感じになる。しかし、短時間で作ることができ、ラフな感じが魅力。それをいかしたパイや、プロの方でも家庭的な雰囲気をあえて出すために使っている人がいる。

フィユタージュ・ノルマル
(折り込みパイ生地
パフ・ペイストリー)

ラピッドより生地が均一に高く浮き、綺麗に仕上がる。ホロホロと1枚ずつはがれる繊細な食感と風で舞うような軽く膨らんだ生地は洗練されたパイによくあう。


この2つ以外にもパイ生地の種類はあり、多様性がおもしろさでもあるのですね。



パイ、実はスペイン生まれ

フランスのスイーツレシピをよく見ていことと、言葉がフランス語なせいか、パイはフランス生まれだと思っていましたが、文献ではスペインのパイの歴史の方が古いようです。

17世紀初頭にはスペインではもう記録されていましたが、フランス初のパイレシピは20世紀半ば…

スペインは、アーモンドパウダーなどスイーツを彩る豊かな食材の宝庫なのですね。

おいしく作れるようになったら、食材も大切に選んで、食べてくれる方たちに作りたいです。



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