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だいたいニャー【ショートショート#39】【440字】

 はぁ、と帰宅中の夏希はため息をついた。一人暮らしの唯一の癒やしが猫だった。だが猫を吸いすぎてアレルギーを発症し、飼育を医者に禁じられてしまったのだ。

 開店したばかりのペットショップの前で立ち止まる。見たことのない品種がいた。遺伝子組み換えでアレルゲンをなくした品種で、代替猫だいたいニャーとポップにある。夏希の顔がパッと明るくなった。

 さっそく家に迎えてナナと名前をつけた。これからは猫吸い放題、触り放題である。夏希の毎日に潤いが戻った。だが、ナナとの蜜月は長くは続かなかった。再びアレルギーを発症してしまったのである。

 ある夜、換気のために開けておいた窓からナナが外出していると気づいた。夏希はこっそりナナの跡をつけてみた。もしかして他の猫とじゃれ合ってアレルゲンを持ち帰っているのかもしれない。

 行き先は夜の公園だった。猫たちが二つの陣営に分かれて、合戦前のように睨み合っている。片方の陣営にナナも加わる。どうやら遺伝子組み換えでない猫たちと代替猫たちの仁義なき戦いが毎晩行われていたようなのだ。


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