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“仕事に問題なし”って言ったら、上司に論破された話

完璧主義を目指していても、到底かなわないのはスポーツをしていたことのある人なら経験上体感で理解できるだろう。
完璧なんてありえない。


場面や歳が変わると折角の経験も分かっていたはずのことなのに、活かせなくなって失敗を繰り返してしまう。頭のいい人は別なんだろうけどね。

まだ社会人として若く、新しい職場にありながら早々に職場のあるポジションを任された。
数日、数か月は上手く行っていた。
上手く行っていたように思えていた。
無論、影でのサポートあって故でのことでだ。

ある日何気なくその部署の上司からいつものように仕事終わりに声をかけられた。
「今日、一日何か問題はあった?」
いつも聞かれる質問だった。
いつものように大きなトラブルがなければ、挨拶のような質問として捉え応えていた。
「何も問題はないです!」
いつものやり取りだった。
上司は、どうもこのやり取りをもってしばらく様子を見ていたようだった。
だが、この時の上司は違った。いつもなら「お疲れさん」で済んだやりとりだったが、この日は上司の目が悲し気に語りたがっていた。

「『何も問題がない』と言ったね。それは今日の仕事は完璧だという意味で言ったの?」とその日は返してきた。
いつもの返しと違う返しを聞いてキョトンとするボクに畳みかけて上司は、
「仕事に問題がない日がないなんてないんだよ。言うなら問題発見能力がないんだよ。」と。
結構意地悪だなと思いつつも、意外な発言にも得心し怒りの気持ちは湧かなかった。
問題発見能力がない
新しい視点だった。
今で言うなら「気づき能力がない」が近いかもしれない。

以来、常に「問題がない日はない」を心に仕事をしている。
それは必ずしも全部を完璧に問題解決して次に進むことを示していない。
自分なりに優先順位を決め、取捨選択し、捨てるモノは捨て、頼むものは頼む、後まわしにできるモノは後回し、人に依頼できるなら依頼する、の決断をし、バランスよく仕事をすることにしている。
問題は、問題を認識していないことにある。

意地悪であってもあの時の出来事があって良かったと思っている。
…、で、名前は何だったっけ、上司の…。

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