『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』はオモシロかったが、自ら設定したハードル「史上最強の敵」は「史上最強」だったのだろうか。
いや~、オモシロかったですね。
やはり、1&2を観てその世界観に魅了された人は、続編を望みたくなるもんですよね~。
ですが、意外にも世間の盛り上がり(一部ですが)が白熱化しているのにはビックリです。これほどファンが多いとは。
本当にいい映画とは、口伝で広がっていくものなんですね。
シリーズ化されると面白くなくなっちゃったりするのも映画の常で大作化される程面白くなくなるのも常です。ですが、今作はオモシロくなくなることに関しては未見の方は心配なさらなくて結構です。
十分にオモシロいです。
ただ何事においても満点というのはないと思います。
以下、映画素人なりの私見を交えての感想をガチで書いていきたいと思います。
「愛」を込めて。
ネタバレを含む。
まずアクションから
アクション監督の園村健介さんの女性の対男性へのアクションには共感を覚えますね。素晴らしいの一言。
これまでの女性アクションとは一線を画します。
力対力をまともに受けるような対決をしていてはいくら訓練をした女性でも相手が訓練を積んだ男性なら一撃で倒すのは難しいでしょう。そこを実践的に相手の力を活かし、流すような組手を作っています。時に機転を利かせた技を出したり…。
今回は、この機転を利かした技が伏線となり、前半の敗戦と後半の勝利との境がでることとなります。
園村アクション監督の魅力は接近戦にあると思います。
役者さんはど~やって練習しているんでしょうか?
ハードそうな練習を想像するだけで役者さんの苦労が程が分ります。
皆さんいっぱい観に行って、いっぱい宣伝しましょう。w
「史上最強の殺し屋」の設定
今回で第三作となり様々なハードルが上がっているだろうと思います。
人気作故仕方のないことだとでしょう。
その中で「史上最強の殺し屋」と高々とコピーを打ちました。
この自ら設定したハードルは越えなければならないと思いますが、越えられたのでしょうか?
確かに強く、一時は二人を倒したのでしょうから史上最強かもしれません。
役者さんもハードな戦い方を演じきったと思います。
ですが、
やはり、
二人が再起不能になる程痛めつけられた印象は残りません。
結局、二人の強さが際立ちました。(彼女たちの映画ですから)
血まみれメイクをいくらしても双方すぐに快復するわけですから、ダメージについてあまり説得力がありません。
史上最強とは「数」のことを言ったのでしょうか。「質」を言うべきではないでしょうか。また、日記や振り返りは大切ですが、いくらハードとは言え150程の経験で最強を名乗れるものなのでしょうか。
変な例えですが、営業職は飛び込み営業を含めどれだけの経験を何年重ね最強の営業職になれるでしょう。
シナリオ/構成について
ボクは映画の専門家ではありませんが、映画好きの観点からモノ申したいと思います。
構成の意外性はなく、「史上最強の殺し屋」がなぜそうなったかの説得力も低いと思います。いくら元々がB級映画だったからとは言え、設定の甘さは酷いと思います。
また、「史上最強の殺し屋」が最期にチームを組むに際し、命を張るほどの説得力の期間と信頼関係があるとは思えません。この辺りも観る側は「流れ」「勢い」で観てしまうので、アクション映画として「あり」なのかもしれませんが、シナリオ的にもう少し辻褄合わせをしてほしいところです。
1&2の成功で資金が集まったならシナリオでも第三者的な協力を得てみては良かったのではないでしょうか。
一方、役柄にハマったセリフの言い回しなど笑いを取るところはしっかりと取るなどはこの映画の魅力の一つです。シリーズ化しても魅力は失せません。
脚本家と役者さんが固定しているからこそできる登場人物の個性化作りに大いに役立っていると思います。
役者さんについて
「史上最強の殺し屋」のなぜそうなったかが説得力が低い、とは言いましたが、戦っている時点で彼女たちに勝てる見込みは見いだせないほど役者さんの存在感は際立っていました。
彼は「せかいのおきく」でも際立っていました。色んな所で目立っていますね。まさか戦えるとは思えませんでした。w
ベイビーわるきゅーれ2から「その仲間たち」を前面に押し出し始めた印象がありますが、今回も宮崎の仲間たちと本部の仲間たちが応援に回ってくれます。
加わる役者さんの個性も気になるところです。
総合評価
ボクなりの総合評価としては、概ねオモシロかったし、次作も期待したいと思います。
今作は確かにハードルが上がっていた分やり難さもあっただろうと思われますが、最低ラインは乗り越え次作につなげることはできたんじゃないかと考えています。課題はあります。
シナリオ、展開をどうするか、です。
同じパターンを繰り返すようであれば、いくら初期のファンでもオモシロいとは思え無くなっていくでしょう。ましてや今回のように旅行バージョン、各地盛り上げバージョンを繰り返すなら。
この映画について聞かれたら、まず1&2を観て! とボクなら言うでしょう。