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僕が大切にしてる成功哲学。これで勝ってきたと言える。
年末から今週にかけて、相場が大きく動いてる。
正月くらいはゆっくりしようと思ってたのに、結局パソコンに張り付いてる。
でも正直、スプレッドも安定しないし、値動きも難しい。やらなくてもいいんだけど、これだけ動くと、つい見ちゃうよな。
ふと思い出すのが、タモリさんの言葉。
「人は、あんまり力んだり気合い入れ過ぎたらダメだよ。」
これ、本当にその通りだと思うし、
僕がめっちゃくちゃ大事にしてきた言葉なんだよな。
昔から僕はこの言葉通り、
「よっしゃ!やるぞ!」みたいな気合いを入れることをほとんどしないようにしてる。
その円陣的な世界観を、良し悪しだよなって考えてきた。
それが結果として僕のFXにはめっちゃ役立ってると思ってる。
FXのことだけじゃなくてもそうだ。
大それた表現をさせてもらえば成功哲学だと思うから、今日はそれを話したいと思う。
非常に示唆に飛んだ話だと思うから、長くなるけど聞いて欲しい。
僕は大舞台であまり緊張しない。
人と比べたら、明らかに自分は緊張してないって思うんだ。
それが、FXでいえば、
「度胸」や「握力」や「冷静さ」に直結してるんだと思うから、
FXの話とそれ以外の話を絡めながら、少し掘り下げてみようと思う。
もし、大きなポジションを持ったときにめっちゃ緊張してしまう人や、
負け込むと崩壊しやすい人がいたら、
この話が少しでも役に立てば嬉しい。
僕は仕事柄、昔から「競り」に数多く参加してきた。
「競り」ってわかるかな?
マグロの競りとかをテレビで見たことがある人も多いだろうから、あれを思い浮かべて聞いてみて欲しい。
テレビのニュースとかでは分からないと思うけど、
実際の競りの世界ってのは、想像以上にガチンコの喧嘩で、会場の空気はピリッピリなんだよな。
ヤジが飛び交い、怒鳴り声も飛ぶ。
全国から経営の猛者達が一堂に集い、それはそれはとてつもない空気なんだよ。
商売において仕入れは命だから、良い商品を1円でも安く買いたい。
みんな本気で熱くなってるんだ。
けれど、そんな熱い場で、最も問われる能力のひとつが、
実は「ポーカーフェイス」だ。
たとえば、全身から、
「俺はこのマグロをどうしても買う!」
みたいな空気を出してる人が場にいたとする。
そんな人がいたら、その他ライバル達はどうするかわかるかな?
自分はそれを落札するつもりがなくても、
わざと値段を吊り上げて、最終的にその人に損をさせることができるんだ。
「コイツはどこまでも来るだろうな。」
ってのが周りに読まれたら、
ライバル達はギリギリのところまでわざと競って、値段を吊り上げてくる。
(このライバルに儲からないレベルの値段で品物を落札させる行為を、競りの世界では「テコる」と言う。)
相場よりも高い値段までテコることに成功したライバルは、心でニヤッとしてるってことだ。
新参者が競りに来ると、古参たちは一斉に「テコる」。
簡単にルーキーにおいしい思いをさせないのが、この世界の当たり前だ。
一方で、そんな時に一番怖いのは、
「ポーカーフェイス」で常に余裕感のあるヤツだ。
姿勢も表情も声のトーンも一切変えず、
「どの品物を狙っているのか」
「どの価格まで追いかけてくるのか」
が全く読めないヤツ。
競りのパターンを周りに掴ませないヤツが1番怖いんだよな。
周りがポーカーフェイスに「食わせてやろう」とテコるつもりでも、
無表情で突然競りを降りられたらーー
その損は自分たちが抱えることになる。
逆に周りの人が、
「コレは誰も狙ってないだろう」と、
競りの穴場を見つけ安く買おうと値段を指したら、
急にポーカーフェイスが、本槍(ホンヤリ)を刺しにきたりする。(第一声で強気の値段を言うこと)
想定外の本槍は、ライバルに動揺をもたらす。一瞬でもその動揺を食らったら、そこに待つのは「崩壊」だ。
場の空気はポーカーフェイスに支配され、競り負けてしまう。
そういう勝負を繰り返し、結果、
「こいつとは競りたくない」と周りに思わせることができれば、その場での圧倒的な勝者になれる。
僕はこの「競り」の世界で長年生きてきた。
マグロでは無いし、それぞれの市場で多少の違いはあるかもしれないけど、競りの本質は同じであるはずで、
「競りに強い人間がどういう人間か」は、よく知ってる。
僕は競りの場で、
めっちゃポーカーフェイスだし、
口喧嘩でも、ヤジでもまず負けない。
ルーキーはボコボコに圧倒してきたし、古参のヤジも倍にして返してきた。
そうやって、なんのコネも無かったルーキーの僕が認められ、生き残れた。
そうやって長年あの世界は秩序が保たれてるんだ。(びっくりしたと思うけど、この話は面白いでしょ)
その経験が明らかに、
今の自分の冷静さや「緊張しない力」に直結していると思う。
力まず自然体でいることや、ポーカーフェイスの大切さは、他にも色々話がある。
バンドで満員の出番前でも、大きなメディアでも、僕はあまり緊張しない。
直前まで普通に話してたり、寝転んだりしてる。
「よし、やるぞ!」みたいな円陣も組まないし、準備運動すらしない。
それが昔から変人だと言われることも多いけど、そんな時にいつも思ってるのは、この世界観だ。
FXでも同じで、
たとえば、ロットをパンパンに入れているときでも、僕はわざと空気を変えない。
その瞬間子どもが目の前でギャーギャー鬼ごっこをしていても、全くやめてくれと言わない。
極端にこれを表現すれば、
鼻歌でも歌いながらトレードするくらいの気持ちでいたいと思ってる。
もちろん、時には精神的に難しいときもあるんだけど、
基本的にはその「力まず楽勝」な世界観を常に意識している。
僕の口癖は昔から「楽勝。」だった。
受験の時も、バンドのメンバーにも、弟子達が不安な時も、常に「楽勝だろ。」って伝えてきた。
特にFXにおいては、誰しもの課題である「崩壊」。
それを相談された時の答えの一つとして、
「この世界観を作れ」と指導してきた。
積み上げた収支を飛ばしてしまうとき、
それが「大事にしすぎた収支」だと、
失ったときのダメージが大きいから崩壊に直結する。
「収支に気持ちを入れ過ぎない。」
「苦労した気持ちを収支に乗せない。」
力んで気合いを入れて積み上げた収支は、本当に大事に感じてしまうから。
だからこそ、常に「楽勝」「余裕」という意識でいることが大事だと思ってる。
それは決して適当にやるということではなく、
心の余裕を作るということだ。
「自分の仕事に値打ちを出さない。」
「パパの仕事は凄いなんて家族に思わせない。」
「こんなん誰でもできるし、大したことじゃない。」
と、家族や周りにも言い続けること。
「だからどうぞトレードルームでおもいきり鬼ごっこして下さい。」
そんな事を常日頃考えてる。
大したものじゃないと落とし込むからこそ、
失くしても平気でいられる。
そんな感じだ。
緊張やプレッシャー、失敗への恐怖――
これらは誰にでもある。
でも、それを乗り越えて冷静さを保てるのは、最終的にはその人が作り上げた「世界観」だと思ってるんだ。
そういえば相場で大きく勝ってる人とか、
世を騒がす成功者の多くって、
今日話した、力まない世界観を持ってる人が多くないかな?
それぞれ違う表現だと思うけど、
それができてる人達が、成功者には多い気がするよ。
今日のこの話。
実は、自己暗示的に狙ってやれる。
「自分にどういう世界観を作るのか。」
僕は、その場その場に応じて、
ずっとそれを考えて自己暗示してきたんだろうと思う。
2024のM-1を見てても、めっちゃ同じ事を思った。
令和ロマンのくるま(僕、超ファン)だよな。
あの圧倒的に余裕で楽勝な世界観。
ゆえにあの空気の支配力は、生まれてる。
マジで痺れたな。
力まず、自然体でいること。
肩の力を抜いて気合を入れ過ぎず、「楽勝」が口癖。
もちろんこれが、全てにおいて優れてるとは思ってないけど、
これは僕なりの、ハックだったんだと思う。
「どんな世界観を自分に作り上げるのか。」
是非考えてみて欲しい。
この哲学を言語化するのはこれが初挑戦だったから、うまく書けてると嬉しいな。
*写真はミナペルホネンの展示室の壁。
圧倒的世界観。皆川さんにはマジでいつもビビる。