迷い続ける議論の行方(『カンガルー日和』村上春樹 読書感想文)
男性と女性が出口の無い議論を延々と繰り返している場面に遭遇した経験は皆さまにもきっとあるだろう。自分たちの恋愛関係について。部活動の方針について。会社のプロジェクトの進め方について。あらゆる場面で生じる議論は(その議論のトピックに関係なく)論者が男女であるからという理由のみですれ違い、出口の無い迷宮に迷い込んでゆく……
私は議論が迷走してきたなと感じたら、一度頭をまっさらにしてそれまでにあった発言を頭の中で並べてみることにしている。そしてなるべく己の感情を排除して、論理のみ