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コンサータを飲んで気づいたこと 感情も思考も「自分」そのものではない

1. ADHDの診断とコンサータの処方


ADHDの検査を受けようと思ったのは、日常生活や勉強で集中ができず、何も達成できない自分をどうにかしたいと思ったからです。頭の中がいつもごちゃごちゃしていて、一つのことに集中しようとしても、次々と他のことが気になり、結局何も終わらない日々が続いていました。

自分に対してイライラすることも多く、「何かがおかしい」と感じていましたが、それがただの怠けや自分の弱さではないとわかっていました。

医師に相談し、ADHDだと診断されたとき、自分の問題に名前がついたことで少し安心しました。でも、「コンサータ」という薬を処方されたときには期待と同時に不安もありました。薬を飲むことで自分が変わってしまうのではないか、今までの自分の意識が薬のせいで薄れてしまうのではないか、そんな心配が頭をよぎりました。

2. コンサータを飲んだときの変化


初めてコンサータを飲んだとき、頭の中が少しずつ整理されていくのを感じました。今まではいろいろな考えが一度に浮かんでいましたが、それが少しずつ落ち着き、ひとつひとつの考えがはっきりとしてきたのです。

そして、集中力がぐっと上がり、目の前の作業に没頭できるようになりました。それまでなら何かに取り組んでいてもすぐに他のことが気になっていましたが、コンサータを飲んでいる間は、その気になる瞬間が少なくなっていたのです。

さらに、感情の揺れも少なくなりました。以前は些細なことで気分がすぐに変わってしまいましたが、コンサータを飲んでいると、感情が安定して冷静でいられる時間が増えました。

これまで強く意識していた「自分がどう見られているか」という自意識も、なぜかあまり気にしなくなってきたのです。

3. 気づき:感情も思考も「自分」そのものではない


ある日、コンサータが効いているときと効いていないときで、自分の思考や感情が全く違うことに気づきました。そのとき、ひとつの確信が生まれたのです。

感情や思考は、一時的なものであって、それ自体が「自分」ではないのだと。これまで、感情や思考が自分そのものであり、絶対的なものだと思っていましたが、薬によってそれが変わることを経験して、考え方が大きく揺らぎました。

「自分とは何か?」という問いが自然と浮かびました。もし感情も思考も変わり続けるものであり、薬の影響を受けるのなら、本当の「自分」とは何なのか。この瞬間、私は自意識に対する考え方が大きく変わったのです。

4. 感情と思考の本質


感情や思考は常に変化していくものです。これまで私はその変化に振り回されて、感情や思考がすべてだと思い込んでいました。しかし、コンサータを飲んでそれが一時的なものに過ぎないと気づきました。

感情も思考も、まるで空を流れる雲のように、時間とともに消えたり現れたりするのです。

仏教では「無我」や「無常」という教えがあり、自分の感情や思考にとらわれないことが大切だとされています。この考え方は、私にとって大きな気づきでした。感情や思考にこだわらず、ただそれらを観察していくことが重要だと気づいたのです。それによって、心が少し軽くなったように感じました。

5. 「自分」の新しい捉え方


感情や思考が「自分」ではないと理解できたことで、私はそれに振り回されずに生きられるようになりました。今までは、感情や思考に支配されていましたが、今では一歩引いてそれらを見ることができるようになり、心のバランスが整ってきました。

コンサータを通じて得たこの気づきは、日々の生活だけでなく、精神的な安定にもつながっています。

今では、感情や思考に固執せず、もっと軽やかに生きることができています。「自分」を定義するのは、感情や思考の一時的な動きではなく、その背後にあるもっと深い意識だと感じています。

6. 幻の「自分」への執着からの解放


感情や思考は絶対的なものではなく、ただ流れていく現象に過ぎないのだと気づきました。このことを受け入れることで、私の心は大きく軽くなりました。

変わらない「自分」ではなく、変わり続ける「自分」を認め、受け入れることが大切だと思っています。

これからも私は、感情や思考にこだわらず、ただ観察し、それらが自然に流れていくのを見守っていきたいと思っています。そして、その過程の中で、もっと深く本当の自分を見つけていくつもりです。

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