おとなにこそ、探究がある暮らしを!
今、子ども達の学校で、自ら問いを立て、それに対して答えていく探究学習が始まっています。だけど、本当はおとなにこそ、探究が必要ではないかと考え活動を始めた、探究サロン『 quest with!』についてご紹介します。
おとなにこそ、探究がいる理由
幸福度のU字カーブは、48歳が幸せのどん底にあることを伝えています。
その理由として、様々な理由が考えられる中で、私たちはおとなの思春期と言われる中年の危機に着目しました。中年の危機とは、中年期に 「自分の人生は本当にこれで良いのだろうか?」と考え、これまでの生き方や自分自身に自信がなくなったり、悩んだりしやすくなることです。
もし、ミドル世代が中年の危機をスムーズに乗り越えていく方法があれば、ワクワクする幸福度が高いおとなを増やしていけるのではないかという仮説を立て調べていくと、中年の危機は人生の予測がついてしまうことに対する心の抗いであることを知りました。
心の抗いの根っこにあるのは、人生の折り返しを過ぎて、自分の人生がこうではなかったはずという現実です。本当はもっと違う人生を歩んでいたのではないかと、自分の夢が成仏せず、ゾンビ化していることが原因であること等が考えられます。
つまり、自分が考える自己認識に歪みが中年の危機の原因と捉え、この自己認識の歪みを健全に戻すため、認知行動療法的アプローチに着目しました。
それは、そもそも、自分がどんな時に幸せな状態であるのか主観的幸福(Well-being)を定めて、そのような状態であるように行動し、自己認識を上書きしていこうとする試みです。
残念ながら、主観的幸福(Well-being)は、自分がありたい状態(being)であり、行動(Doing)しなければ、状態(being)を維持できません。
そこで用いるのが探究学習です。
前述した通り、自ら問いを立てて、それに対して答えていくのが探究学習であり、問いの先を自分らしくあれる主観的幸福(Well-being)な状態とし、どのようにすれば、そうあれるのかを実際に行動し究明していきます。
特に、自己認識の歪みの発生原因となった人生の宿題(自分がやりたかったけど、できていない夢)に、とことん向き合うことをおすすめしています。
探究サイクル(自らがやりたかったことを自己選択し、とことんやり切ることで、達成感(納得感)を得る)を通して、夢の決着がついた時、自らの夢が成仏すると同時に、今までの自己認識(アイデンティティ)が新しい自己認識へと上書きされることを発見しました。
つまり、おとなにこそ、探究がいる理由とは、探究が中年の危機の処方箋になるということです。だから、私たちはモヤモヤミドルがワクワクミドルに転換する上で、おとなが探究することが必要だと考えました。
でも、おとなが探究を始めようとしても、2つのハードルがあるんです…
モヤモヤミドルがワクワクミドルに変わる上で、さぁ、いざ、探究を始めようとしても、2つのハードルがあり、うまくいきませんでした。
まず、1つ目のハードルは、そもそも自分の人生の宿題(自分がやりたかったけど、できていない夢)がなんであるのか、自分がやりたいことを言語化できない人が多い現実があります。それは生きていく上で自分が傷つかないように、何層にも及ぶ他分(周囲の期待に応えようとする適合した自分)で本当の自分を覆っているからです。
ですが、皆さんそれぞれに、今は目には見えていなくても、地続きの一貫性が必ずあります。丁寧に自分を掘り起こしていくことで、主観的幸福(Well-being)に至る探究対象を見つけることができます。私たちは4年間の活動を通し、探究発見プログラムとして、そのプロセスを確立しました。
そして、2つ目のハードルは、探究発見プログラムで自分の主観的幸福を発見しても、探究が暮らしに定着することが難しいことです。
理由は、探究活動が新しい生活習慣だからです。ダイエットや英語学習等もそうだと思いますが、新しく始める生活習慣は、最初、『やるぞ!』とモチベーション高く意気込んでいても気づけば、三日坊主になることはよくあることです。これはやる順番が間違っています。
新しい生活習慣は、コミュニケーション➡モチベーションの順番でやるべきであり、コミュニケーションという薪をくべるプロセスがあれば、モチベーションの炎は持続性を帯びていきます。
なので、私たちは、探究(quest)をひとりではなく、仲間と共に(with)探究する上で、探究サロン『quest with!』として2020年から活動を始め、今でも探究を継続し、『探究と共にある暮らし』を実現しています。
私たちの願い
おとながワクワクすることは、きっと社会も未来も変えていける!
だから、私たちは仲間と共に探究する!
おとながワクワクすることは、周囲に与える影響は大きいのではないでしょうか。
家庭における、おとなは親であり、子ども達の未来への希望でもあります。
ワクワクする親を見て、「将来、こんなおとなになりたい!」と子ども達が思えば、子どもは未来に希望を持つのではないでしょうか。
職場における、おとなは上司や取引先であり、仕事や社会を共に創る仲間でもあります。
ワクワクする上司や取引先を見て、一緒に仕事をする仲間のモチベーションが高まれば、仕事や社会にイノベーションがどんどんと生まれくれるのではないでしょうか。
だからこそ、私たちは、モヤモヤミドルがワクワクミドルに転換する社会に貢献したく、おとなが探究することを応援しています!
もし、あなたも、ワクワクするおとなに一歩踏み出し、探究を始めてみたくなりましたら、探究サロン『 quest with!』の扉を叩いてみてください!
人生に、探究を。