【探究学習】「サブスクの解約すっげえめんどくさ!」からの解約アプリ構想
「起業したい」と思ったら、どんな商品やサービスを考えますか?
普段の生活の中にも、実はビジネスの種がたくさん眠っています。誰かの困りごとを解決するアイデアは、実現すれば多くの人の助けになります。
クラーク記念国際高等学校静岡キャンパスの生徒たちは、サブスクリプションサービスの解約手続きの不便さに着目し、解約を簡単にするアプリ「Kei kai」を提案しました。その内容をどうぞ。
解約の手続きがめんどくさい!
チーム「ザナドゥ」です。よろしくお願いします!
「あーあ、学校疲れた〜。家帰ってビデオでも見るか」
「そのビデオって、この前WEBで契約してたやつ?ちゃんと解約した?」
「え、ウェブサイトの解約すっげえめんどくさくて、やってないんだよ」
「解約してないと、来月分の料金が、勝手に振り込まれちゃうんだよ。知らなかった?」
「な、なんだってー!!」
そんな事態になったことはありませんか?
契約内容を忘れていて、解約を忘れてしまった。
解約の作業が面倒くさくて、放置してしまった。
こうした事態から、家族間でのトラブルや金銭的トラブルになってしまうケースもあります。そこで今回は、ウェブサイトの契約内容を簡単に軽快にする「Kei kai」を提案します。
WEB解約のどのようなところが不便なのでしょうか。
意見に上がってくるのはやはり、解約の手順が複雑でわかりにくいという意見、企業によって解約条件が異なるという意見、さらには勝手にお金を請求される悪徳商法など、様々な不便があります。
そこで解約の不便さに対する、みなさまの意見をまとめてみました。
まず「解約をする際の不便さを感じるか」というアンケートを実施し、「はい」が83%という結果が出ました。
さらに解約のしづらさはニュースでも取り上げられており、世間が解約に対して不満を持っていることがよく分かります。
では、解約を簡単に、安心して使うには、どうしたらよいのでしょうか?そこで私たちは、WEBサイトの契約管理アプリを開発しようと考えました。
WEBサイトの契約管理アプリ
まず、この「Kei kai」の機能を簡単に説明します。
このアプリを入れることで、契約が簡単にできるようになり、契約内容を明確化したり、ニーズに合わせたサブスクの提案をすることができます。このようにお客様が喜ぶような機能を考えています。
「えっと、今聞いた感じ、お客様側のメリットしかないですよ?サブスクを出している企業が『Kei kai』に登録するメリットがみあたらないですよね?」
いえ、安心してください。『Kei kai』にサブスク登録するメリットはあります。
「Kei kai」では、「Kei kai」に登録しているサブスクの消費動向のデータを収集し、企業と共有し合いたいと考えています。これによって、新商品開発の見通し、既存商品の売り上げの方向性、現在の流行は何か、を知ることができます。
さらに、企業のサブスクを提供する場を作ろうと思います。
サブスクの紹介ページを作ることで、各社の良いところを、ダウンロードする前から詳しく知ることができ、「このサイトのサブスクいいじゃん!」となれば顧客の数もアップしていきます。
でも、やっぱり解約しやすくなってしまうのは、企業側としても損だと思うんですね。
はい、『解約しやすくなってしまったら契約している顧客が離れてしまう』という考え方は少し違うのではないかと思います。
解約というのは、サブスクの最後に行うものです。
この最後が不便だと、企業の印象が悪くなってしまいます。獲得した客を逃さないために解約に応じないのは、サブスクの顧客を増やすには逆効果です。
このようなことから、サービスを提供する企業にもメリットがたくさんあるのです。
開発費用と利益
それでは、アプリ開発の見積もりについて説明します。
初期費用は500万円を想定していて、情報管理の機能や雇用をするプログラマー、システムエンジニアなどを考えるとこのぐらいの金額になるのではないかと考えています。
続いて、利益について説明します。
解約について不満が多いということは、この「Kei kai」のダウンロード数はかなりのものになると予想されます。先ほど紹介したサブスクの紹介ページでインプレッション型広告を採用することで安定して利益を得続けられるのではないかと考えています。
民法改正によって、18歳から契約が可能になります。この改正によって、今後トラブルが増えると予想されます。サブスクリプションという需要が途絶えることのないサービスを、この「Kei kai」を使って解決できればいいなと思います。
以上で発表を終わります。ありがとうございました!
審査委員からのコメント
審査委員の方々からは、
「自分自身、解約したいけどどうやってするのか分からなくなってしまったことがたくさんあるし、解約しづらくしてるというのは社会問題としてある。着眼点として、とてもよいと思った」
「サブスクリプションのサービスを運営している側としては、非常に耳の痛い話だなと感じた。わざわざ解約を難しくはしないけれど、めちゃくちゃ簡単に開発されても困るなという難しい心境で話を聞いてました。事業者側がこれに協力するのは相当ハードル高いだろうなと思うので、ユーザー側でまず完結できる仕組みでやれたらいいなとは思いました」
「法律の変更に目をつけているところがすごくいいと思った。法律が変わる時は、いろんな新しいビジネスのチャンスが広がる。法律が変わるってことは、世の中どう変わるのかな、その時誰が困る人がいないかと考えることは着眼点としていいと思う」
「企業の側から見ると、ついつい、いやこれ難しいんじゃないのって思ってしまいがちだけれど、でもユーザーから見たら不便じゃないかという、こういう純粋な目線は高校生ならではと思うのでそこに感動した」
「例えばJIS規格のように規格ビジネスとして考えてみると面白いかもしれない。規格があれば、ユーザーは安心して申し込めるから、その審査を受けることに対して企業に課金をするというやりかたもあったりする。そうすると国にもかけあって、ものすごく構想の大きいいいビジネスになっていくんじゃないかなと思った」
といったコメントがありました。
また、審査委員からの「具体的に、ユーザーはどのように使えるのか?」という質問に対しては、「アプリを連携させて、自分が登録したサブスクリプションをアプリ内で一覧として見ることができ、また解約までの期限や月額がわかるようにしたい」といった説明がありました。
みなさま、ありがとうございました!